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2018年11月27日

ブラックアウトの防止へ

政府の電力インフラ災害対策案

北海道胆振東部地震などで大規模な停電が相次いだことを踏まえ、経済産業省は今月、電力会社の管内全域が停電する「ブラックアウト」の防止策をはじめとする中間取りまとめ案を公表した。月末までに政府が策定する重要インフラの防災・減災対策に反映される予定だ。同案のポイントを解説する。

相次ぐ大規模停電
地震、豪雨への備え急務 復旧期間の短縮も課題に

今年も地震や豪雨など大規模災害が日本列島を相次いで襲った。とりわけ、9月に発生した北海道胆振東部地震は、ブラックアウトという前代未聞の事態を引き起こし、停電世帯は約295万戸に上った。

ブラックアウトから約50時間後には、ほぼ全ての世帯で復旧した。だが、ブラックアウトの主な原因は、道内発電量の大半を担っていた苫東厚真発電所が被災し、電力の需給バランスが崩れたことによるものであり、道内の電力インフラの脆弱性が大きな課題として残った。

豪雨災害による停電被害も続出した。西日本を中心に甚大な被害をもたらした7月の豪雨では、8万戸で停電が発生。

さらに、9月に日本に上陸した台風21号は約240万戸(関西電力管内では約170万戸)、同月末の台風24号は約180万戸(中部電力管内では約100万戸)もの停電を発生させた。両管内共に風水害における停電としては、平成最大級の戸数を記録。完全な復旧までに1週間以上を要した。

経産省が方針発表
電力融通など連携を強化 地域の再エネ活用へ検討

電力の安定供給対策のポイント

経産省の中間取りまとめ案ではまず、北海道でのブラックアウトを踏まえ、他の地域も含めて大規模かつ広範囲な停電が起こるリスクはないかを検証した結果について言及。対策を打てば、主力の発電所が停止しても電力の融通などで対応できることから、「ブラックアウトには至らない」ことが確認されたと報告した。

その上で、今後の方針として、(1)北海道におけるブラックアウトの再発防止策(2)速やかに取り組むべき「緊急対策」(3)スピード感を持って検討を進め来春までに一定の結論を求める「中期対策」――の三つの角度から具体案を示した。

ブラックアウトの防止策としては、北海道と本州をつなぐ送電ケーブル「北本連系線」の増強について明記。現在進めている60万キロワットを90万キロワットまで増やす工事を着実に完了させるとともに、その後のさらなる増強についても検討に着手し、来春までに具体化を図るべきとした。

二つ目の緊急対策では、停電の早期復旧に向け、電力会社間の連携強化の重要性を強調。被災した電力会社は資機材や人材の応援を他の電力会社に要請することができるが、さらなる迅速化を図るため、要請を待たずに電力会社が自発的に電源車などを派遣できるよう連携体制の整備を求めた。

三つ目の中期的な対応としては、ブラックアウトの危険性を定期的に検証していく体制の構築を提言。地域をまたいで電力を融通しやすいよう全国的な連系線の増強・拡大策についても検討するとした。

災害に強い再生可能エネルギー(再エネ)の導入を促進する観点からは、災害時に蓄電池などと組み合わせて地域の再エネを活用するモデル事業を検討する。家庭用の太陽光発電については、停電時でも電気を使える「自立運転機能」の周知徹底を訴えた。

また、電力会社が災害復旧の作業を速やかに行えるよう、各電力会社の送配電設備を統一することを強調した。設備の仕様や規格、素材などが電力会社によって異なり、復旧作業の妨げとなるケースもあったからだ。

さらに、火力発電所の耐震性についても法令で基準を明確にして強化を促すとしている。

公明 政府に具体策を提言

災害時の停電対策を巡って公明党は、今臨時国会の衆参代表質問で、山口那津男代表と斉藤鉄夫幹事長が、それぞれ北海道でのブラックアウトによる影響に触れながら対策の重要性を訴えた。

また、公明党「平成30年北海道胆振東部地震」対策本部は、9月に政府に申し入れた緊急要請の中で、電力会社における早期復旧体制の確立を要望。台風21号による被害に関しても、党災害対策本部と関西方面本部が10月、人工呼吸器などの医療機器を必要とする患者らの安全確保をはじめ、対策を急ぐよう政府に強く求めた。

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