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海外コロナワクチンの承認を遅らせる主張をした共産
編集メモ
今年2月に特例承認された米ファイザー製の新型コロナワクチンの接種が全国で進み、21日には米モデルナ製と英アストラゼネカ製のワクチンも特例承認された。これにより3種類のワクチンは計3億6400万回分に達し、国内の接種対象者が2回ずつ打つのに必要な2.2億回分を上回る量を確保した。
これは公明党が海外ワクチンの確保に道を開いた結果であるが、昨年秋の国会では、海外ワクチンの承認を遅らせるような驚くべき主張をしていた政党があった。日本共産党だ。
共産は国会質問で「薬害の痛苦の歴史」「ワクチン禍があった」などとワクチンのリスクをことさらに強調。海外ワクチンに対し、現実的に実施が難しく、仮に行っても長大な時間と労力がかかる、日本国内での大規模臨床試験(第3相試験)を「コロナワクチン承認では実施すべきだ」と言い張っていた。
当時、関係者の間では、欧米などに比べ感染率が低い日本で第3相試験を実施しても、安全性・有効性を十分に検証できるほどのデータが集まりにくく、試験自体が成り立たない可能性が高いというのが、共通の認識になっていた。それに、わが国の薬事承認では第3相試験について、必ずしも日本で行うことを求めてはいない。
にもかかわらず、共産は、日本での第3相試験という無理難題を、海外ワクチンに課すよう要求した。これでは「承認・接種を遅らせようとしていた」と思われても仕方があるまい。共産の質問に厚生労働相は「(第3相試験を)欧米並みにやろうとなれば、ワクチンの接種時期がかなり遅れる」と明確に答弁していた。
米英3社のワクチンは、いずれも海外での第3相試験と、日本や海外での第1、2相試験のデータなどに基づいて安全性と有効性が厳格に確認された上で、わが国では承認された。共産の主張通りにやっていたら、今になっても接種どころか、承認にすら至っていなかっただろう。
しかも、共産はワクチン接種に不可欠な注射器を買い上げる経費や、各自治体で接種体制を築く費用などを計上した昨年度第2次、3次補正予算の両方に反対している。
共産は20日にワクチン担当相に要請した中で、「(ワクチン接種が)日本は世界で128位と大きく立ち遅れている」と非難してみせたが、よく言うよ。(時)