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2018年11月27日

【主張】最貧国支援 産業振興で先進国の役割重要

国連加盟国が2030年までに達成する「持続可能な開発目標」(SDGs)の理念は、貧困を撲滅し、全ての人が尊厳を持って生きられる「誰一人取り残さない」世界を実現することである。

そのためにも、国際社会は、後発開発途上国(LDC)にもっと目を向けなければならない。1人当たりの国民総所得(GNI、1年間に得られる所得)が、わずか11万円以下の最貧国だ。

アフリカやアジアの国々など47カ国が、LDCとして国連に認定されている。その総人口は約8億8000万人と世界の人口の12%を占める。

では、LDCを貧困から脱出させるにはどうすべきか。

国連貿易開発会議(UNCTAD)が20日に公表した、LDCに関する年次報告書の提言に注目したい。

報告書によれば、LDCの現地住民が経営している企業は非常に小規模で、6割近くは従業員が20人に満たないという。加えて、生活のため、何らかの収入を得ようと仕方なく始める「生計確立型」の起業がほとんどで、事業が国全体の経済発展に結び付いていないと指摘している。

従って、報告書は、画期的な製品開発などで新たなビジネス・チャンスを創出する「事業機会型」の起業を増やす必要があると強調する。

ここに日本など先進国に期待される役割がある。先進国との「グローバル・バリュー・チェーン」(GVC)が、途上国の経済発展の原動力となるケースが少なくないからだ。GVCは、先進国が製品を発案し、その部品を製造、完成品の組み立てを労働力が安い途上国で行うという国際分業体制のことである。

先進国の技術が途上国にもたらされることで、高度な国内産業が生まれる波及効果がある。報告書では、日本の電子機器や自動車をカンボジアとのGVCで製造する過程で、カンボジア国民にそうした製品に詳しい技術者が増え、電子機器などの輸出国として大きな経済成長を遂げていることが紹介されている。

一方で、GVCには、先進国の企業が途上国の安い労働力を搾取する問題もあることを報告書は警告する。LDCの繁栄を視野に入れたGVCでなければならない。

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