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【主張】子どもとスポーツ 健全な成長促す指導と環境を
可能性の塊”ともいうべき子どもにとって、スポーツは心身両面の成長を促す栄養素のようなものだ。その恩恵が全ての子どもたちに行き渡る環境づくりは、大人社会の義務と言って過言でない。
「世界子どもの日」の20日、ユニセフ(国連児童基金)と日本ユニセフ協会が、スポーツと子どもの問題に特化した初の行動指針「子どもの権利とスポーツの原則」を東京都内にあるユニセフハウスで発表した。
1989年のこの日に国連総会で採択された「子どもの権利条約」は、国や民族、障がいの有無などにかかわらず、全ての子どもは遊びやレクリエーションを楽しむ権利を有することを明記している。
しかし、日本はじめ世界各地のスポーツ現場では、体罰やいじめ、過度なトレーニングなど、暴力的な指導で子どもの権利を蹂躙し、その成長をかえって妨げるような事例が絶えない。競技大会の商業化が進む中、子どもが商品やモノのように扱われているとの指摘もある。
スポーツと子どもを巡る、こうした危機的現状を踏まえ、指針は日本ユニセフ協会のイニシアチブの下、スポーツ団体や指導者、企業、保護者らスポーツに関わる全ての大人たちが取り組むべき原則として策定された。
具体的には、(1)子どもの権利の尊重と推進へのコミット(2)リスクからの保護(3)ガバナンス体制の整備――など10の原則を提示。その上で、「勝利至上主義は必ずしも子どもの最善の利益にならない」「あらゆる形態の暴力やハラスメントの撲滅」「子どもが安心できるスポーツ環境の確保」など29項目にわたって対策強化の必要性を求めている。
奇しくも明2019年から20年にかけて、日本ではラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックなど国際的なスポーツイベントが相次ぎ開催される。全世代を通じ、スポーツへの関心は一層高まるはずだ。
その意味で、この新指針が「日本発」の形で世界に発信された意義は大きい。10原則29項目にわたる行動のルールを日本こそが率先して実践し、「子どもにとっての、あるべきスポーツの姿」を広く内外に示していきたい。









