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2021年5月11日

【主張】無電柱化 重要な防災対策、計画的に進めよ

電線を地中に埋設して電柱をなくす無電柱化について、国土交通省が2021年度から25年度までの推進計画案をまとめた。パブリックコメントの募集を経て、今月中にも正式決定する。

電柱は地震や台風などで倒壊すれば救助車両などの通行を著しく阻害する。1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災でも、多くの電柱が倒壊し救助活動や復旧作業の妨げとなった。

自然災害が激甚化・頻発化する日本において、無電柱化の推進は重要な防災対策にほかならず、計画的に進める意義は大きい。

計画案によると、この5年間で特に力を入れるのは、災害発生時に救助や生活物資の輸送などに活用される「緊急輸送道路」と、高齢者や障がい者の通行が多い駅の周辺にバリアフリー法に基づき設置されている「特定道路」だ。

緊急輸送道路については、電柱倒壊による被害が大きい市街地を対象に無電柱化率を現在の38%から52%まで引き上げ、特定道路は31%から38%にする目標を掲げた。

電柱は全国に約3600万本もある。全ての道路を対象に一律の目標を示すのではなく、優先して進める道路を明確にしたことは評価できる。

国際的には、ロンドンやパリ、香港、シンガポールなど、欧米やアジアの主要都市は無電柱化を終えている。日本では最も進んでいる東京23区で8%、大阪市は6%程度にとどまっている。

日本が無電柱化で後れを取っている理由として、1キロ当たり5億円以上かかるコストが挙げられる。工事費用は国や自治体、電力会社などが負担するが、地上に電柱を設置する場合よりも10~20倍かかるとされる。工期も長い。

この点について計画案は、約2割のコスト縮減と工期の大幅縮減を掲げている。

日本では電線や通信ケーブルなどを特殊な管に入れて埋設する方法が主流だ。しかし欧米では、電線を直接埋設してコストを抑えており、日本でも一部の自治体が採用している。国は、こうした手法の研究と普及に努めてほしい。

無電柱化は、良好な景観の創出というメリットもある。コロナ後の観光振興も見据え着実に進めるべきである。

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