ニュース
“命綱”の白線表示を引き直し
香川・三豊市
白線が引き直された現場を確認して喜び合う上村さん(左)と込山市議
「この白線は、私にとって“命綱”なんです」――。香川県三豊市豊中町の市道でこのほど、路側帯を表示する白線が約1キロメートルにわたって引き直された。近くに住む上村髙明さん(76)さんは、今回の整備に尽力した公明党の込山文吉市議と共に現地を確認し、感謝を述べた。
上村さんは30歳頃、夜になると周囲が見えにくいと感じるようになった。検査をすると、暗い場所で物が見えにくくなったり、視野が狭くなったりする進行性の網膜色素変性症だと診断された。70歳頃になると急速に悪化し、今では5円玉の穴ほどしか視野がない。
視野が狭くなっても、路面の暗い色と白線のコントラストで道路の状況を判断できるため、上村さんは表示に従って近所を散歩するのが日課になっている。ところが、経年劣化により表示がほとんど消えている場所が数カ所あった。そのため、歩行中に現在地が分からなくなり、迷子になって何度も肝を冷やしたり、道路脇の水路に誤って転落して大けがをしたりしてしまうことがあった。
上村さんは地元の自治会長に改善を求めることに。この相談は、党員を経由して込山市議へとつながった。窮状を知った込山市議が、市建設港湾課に対策を要請し、順次、引き直しが施される運びとなった。
「今までは声を上げてもどうせ無理だという気持ちもあったが、ここまで対応してくれて本当に助かりました」と、上村さんは笑顔で語っていた。