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コラム「北斗七星」
日本の造形文化の一つ、折り紙。実は「origami」と表現する世界の共通語でもあったのだ。最近まで、すっかり忘れていた◆思い出すきっかけとなったのは、ある報道である。南アフリカの貧困地域にある小学校で折り紙が課外授業に取り入れられていたのだ。「初めて見せてくれた輝く笑顔に、折り紙の力を実感した」(読売)と、コンゴ出身の難民収容施設での体験も載っていた◆折り紙の起源には諸説ある。日本に限ると、既に平安時代、「折り紙」という言葉が存在。わぐりたかし著「ぷらり日本全国『語源遺産』の旅」(中公新書ラクレ)によれば、鎌倉時代には公式文書として使われ、本阿弥家の刀の鑑定書である折り紙は“名刀の裏付け”にもなっていたという◆ちなみに、鶴や舟を作る折り紙遊びが庶民にまで普及したのは江戸時代から。49種に及ぶ千羽鶴の折り方を説いた世界最古の教本が現存。今までに実用書も多数出版され、講習・教育現場で活用されている。南アフリカなどでの取り組みはその一例だろう◆驚くのは、多角的展開だ。生活用品なら、折りたたみ傘が代表格だが、人工衛星の通信アンテナや太陽光パネルに加え、医療用ロボットの開発にまで折り紙の構造が応用されつつある。折り紙に限らず、文化そのものが持つ力をさらに伝え続けたい、と誓う日々だ。(田)









