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2018年11月19日

【主張】核廃絶巡る対立 対話での打開を探る賢人会議

核保有国の協力なしに核兵器禁止条約がめざす核廃絶は実現しない――この当然の事実に向き合うとき、同条約に反対の核保有国と早期発効に努力する非保有国との対話こそが最重要であることが自然に理解できる。

しかし現在、両者の関係はとげとげしい。橋渡し役が必要である。それを担うのが外務省が主催し、核保有国と非保有国の有識者が個人の資格で集い、対話の糸口を探っている「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」だ。

まずは、対話のテーマを設定できるかどうかが第一歩となる。昨年から議論を始めた賢人会議から新たなアイデアを出してほしい。

先週、賢人会議は長崎市で第3回会合を開き、「核兵器の役割や価値」を認める立場と認めない立場の両方を議論した。核を巡る最も困難で機微に触れる論題である。

核保有国としては「役割や価値」を否定されることは受け入れ難い。核があるから平和が保たれるとの核抑止論を維持しているからだ。一方の核兵器禁止条約は、核違法の規範を定めている。

これほどの相違を抱えたままでは、核廃絶に向けた対話が成り立つかどうか全く見通せない。

しかし、賢人会議は3月の提言で、核抑止論など「困難な課題」にあえて取り組み、そして双方が相違を受け入れ、粘り強く橋渡しをしなければならないと訴えた。その上で、核抑止は「長期的、グローバルな安全保障の基礎としては危険なもの」であり、「全ての国はより良い長期的な解決策を模索しなければならない」と強調している。

これに対し、核兵器禁止条約を推進するNGO(非政府組織)からは、今回の賢人会議との意見交換の中で「核抑止は長期的のみならず今も危険だが、いずれにせよ核抑止に代替する安全保障の必要性に言及されたことを評価する」との考えが示された。

確かに、新たな安全保障をめざす議論であれば対話のテーマになり得る。賢人会議の白石隆座長は記者会見で「橋渡しの共通の土台を見つけることが一番難しい。まず、賢人会議の中でそれをめざす」との決意を表明した。今後の議論に期待したい。

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