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2021年4月22日

【主張】無形文化財 登録制度活用し次代に継承を

長い歴史と伝統の中で守り伝えられてきた貴重な遺産を、後世に残すための重要な法改正だ。

演劇や工芸技術などの「無形文化財」と、祭りや民族芸能などの「無形民俗文化財」を対象に登録制度を新設し、幅広く保護することを目的とした改正文化財保護法が16日、成立した。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、さまざまな文化活動が制限され、演劇や地域の伝統行事の中止・延期が相次いでいる。ただでさえ、過疎化や少子高齢化による担い手不足で、無形の文化財の存続や継承が危惧されてきただけに、法改正が実現した意義は大きい。

文化財保護については、建造物や美術工芸品などの有形の文化財を対象に、売買や現状変更を強く規制する一方で補助金などで手厚く保護する指定制度と、より緩やかな保護措置の登録制度がある。国宝や重要文化財は指定制度、登録有形文化財は登録制度に基づいている。

これまで無形の文化財には、指定制度はあったが登録制度がなかった。今回の改正法により、国に登録された文化財の保持団体などは、保存や公開に必要な経費の補助と助言を国から受けられる。文化財のお墨付きを得ることは、地元住民や担い手が誇りを持って保存活動に取り組む支えにもなろう。

政府は今後、登録対象となる文化財の詳細について具体的な基準を詰めていくが、誰もが納得できる客観性を担保すべきである。

また改正法では、地方自治体が条例で独自の登録制度を設けられることを明記した。すでに3府県83市区町村が制度を導入しており、登録件数は年々増加傾向にある。法的に位置付けたことで、各地の取り組みが一層進むことを期待したい。

有形、無形を問わず文化財を守るために不可欠なのが修理の仕組みづくりである。公明党は、保存技術を持つ人材の育成、用具や原材料の確保が喫緊の課題とし、国による計画的な支援を求めてきた。これに対し政府は、今年度中に5カ年計画を策定する方針を示している。法改正の実効性を高めるためにも、しっかり取り組んでもらいたい。

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