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集団、個別で 生活していく力を援助
肢体不自由児に寄り添う発達支援センター開設
愛知・大府市
発達支援センター「みのり」で大塚さん(左)と懇談する柴崎市議
愛知県大府市は10月、肢体が不自由な就学前の子どもらや、その保護者を支えるため、2カ所目となる発達支援センター「みのり」を開設し、喜ばれている。以前からあるセンター「おひさま」は、自閉症など発達障がい児を主に受け入れており、肢体不自由児は市内の民間施設や市外の施設に通っていた。肢体不自由児を育てる保護者の声を聞いた公明党の柴崎智子市議の奮闘が実ったもの。
保護者の切実な声が形に
「みのり」では、生活していく力を培うことができるように、保育士を中心に子どもたちが、基本的な生活習慣や集団生活への適応性を身に付けるための集団療育を実施。身体の機能維持・向上をめざす個別療育では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・臨床心理士らが指導や相談に当たる。
施設には、日常生活に必要な動作やコミュニケーションを学べる四つの指導訓練室や遊戯室がある。調理室では、食物アレルギーや身体の状態、飲み込む力に対応した給食を作る。1日の受け入れ人数は12人。現在、市内に住む11人が利用している。必要に応じて、送迎も行い、運営は社会福祉法人「大府福祉会」に委託している。
「みのり」開設のきっかけをつくったのは、市内に住む大塚良孝さん。大塚さんの長男(小学5年生)は肢体不自由のため、幼い頃から歩行や会話が不自由だった。2013年、就学に備えた訓練を受けようと「おひさま」に入所を問い合わせたが、肢体不自由児は受け入れていなかったために断られた。そのため、隣の東海市にある発達支援センターに通った。
大塚さんは、こうした問題を保護者の協力で改善していこうと16年1月、「肢体不自由児(者)父母の会 いろは」を立ち上げた。柴崎市議に会ったのは、その翌月。党支持者の女性の紹介だった。大塚さんは「肢体不自由児に対応した施設を市内にほしい」という切実な願いを伝えた。
柴崎市議は、その願いをかなえようと、すぐ動いた。働き掛けた相手は、現在の市長である岡村秀人氏。約9年にわたり副市長を務め、16年3月の市長選の候補として活動していた。柴崎市議から要請を受けた岡村氏は、すぐに大塚さんに会って話を聞き、肢体不自由児向け施設の検討を政策に掲げることを決意。初当選後、すぐに取り組んだ。
大塚さんは「少数派の声に耳を傾けていただき、こうして形になりました。子どもが市外の施設に通っていた母親は、『みのり』に入ることができ、『通いやすくなってうれしい』と喜んでいます」と語っていた。
公明議員 頼りになる
岡村 秀人 市長
私は16年3月の市長選で「肢体不自由児のための通園施設の検討」を政策の一つに掲げました。
政策として掲げる契機となったのは、16年2月、柴崎市議から「一度会ってほしい人がいます」と紹介を受けた大塚さんとの出会いでした。大塚さんは自身や周囲の親の経験を通して、肢体不自由児を受け入れる発達支援センターの必要性を主張。「障がいのある子どもを育てる親に、自分と同じような悩みを抱えてほしくない」との思いが強く伝わり、市長当選後、すぐに施設の建設を計画しました。
住民のニーズを知り「早く進めなければ」と決意できたのは、柴崎市議のおかげです。障がいの有無にかかわらず安心して暮らせる街をつくる上で、公明党議員を頼りにしています。