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2021年4月14日

コラム「北斗七星」

<盗んだバイクで走り出す><夜の校舎 窓ガラス壊してまわった>。1980年代、10代の代弁者として、熱烈に支持された歌手・尾崎豊の『15の夜』と『卒業』の歌詞の一節である◆29年前の4月25日、尾崎は26歳で逝去した。だが現在も彼の歌は、幅広い世代から愛されている。信じられぬ大人と争い、あがき続けた尾崎の叫びは時を超えて若者の心に響くのだろう。と思っていたが近年、虚構である歌詞に倫理的な嫌悪感を抱く人も少なくないという。「バイクを盗まれた人がかわいそうだ」「割ったガラスは弁償すべき」というものだ◆社会現象化しているAdo(アド)の『うっせぇわ』を借りると、現代の“ギザギザハート”の若者は<ちっちゃな頃から悪ガキ>ではなく、<ちっちゃな頃から優等生>で<模範人間>なのだろう◆反抗する若者像のイメージが強い尾崎だが、『15の夜』では<自分の存在が何なのか>と、生きることに悩む一面ものぞかせている。一方、令和の反抗ソング『うっせぇわ』からは<私が俗に言う天才です>などと、高い自己肯定感が漂う◆『尾崎豊の歌詞論』(見崎鉄著)の中では<「葛藤」は、それが外に向けて表現されると「反抗」となり、内に向かうと「苦悩」となる>と論じられていた。若者に理由なき反抗はないのだ。(川)

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