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改正法が全面施行 バリアフリー加速へ
交通事業者 ソフト対策充実
スロープ設置基準など義務化
障がい者や高齢者らのスムーズな移動を可能にする改正バリアフリー法が4月1日に全面施行された。交通事業者にスロープ板の適切な操作などを義務付けるほか、学校と連携して「心のバリアフリー」の教育を進めるなど、ハードに加えソフト面の対策を強化する。「真の共生社会」の実現を掲げ、バリアフリー施策の充実に一貫して取り組んできた公明党の熱意が強く反映された形だ。
バリアフリー法は、鉄道やバス、施設を管理する事業者などに対して、スロープやエレベーター、障がい者用トイレの設置などを義務付けている。国土交通省によると、1日当たりの利用者が3000人以上の鉄道駅やバスターミナルでは、段差の解消が91.9%、点字ブロックの設置が95.1%に達した(2020年3月末時点)。
しかし、整備されたバリアフリー設備の機能が十分に生かされていなかったり、駅員がスロープ板の設置に手間取ってしまうケースなども相次いでいる。
そのため今回の改正法では、ソフト面の基準を国が新たに策定。具体的には、車いすの人がバスや電車、タクシーを乗り降りする際に使うスロープの設置手順や、鉄道駅で視覚障がい者が見やすい照明の明るさを確保することなどを事業者に義務付けた。
小中学校でも
一方、バリアフリー化を義務付ける建物の対象には、公立小中学校を追加する。校舎を新築する際にスロープやエレベーター、障がい者用トイレなどの設置を義務化。既存の校舎についても、文部科学省は整備を進める方針だ。
このほか改正法には、学校における「心のバリアフリー」の教育や啓発事業を国が支援することも盛り込まれた。赤羽一嘉国交相(公明党)は、「障がいがある人への理解が深まり、支え合いの行動が増えるよう、心のバリアフリーを推進する」と語っている。
「共生社会」実現 貫いて
車いす利用者と駅のバリアフリー設備を視察する赤羽国交相(右から2人目)と岡本部会長(左隣)ら=2020年11月11日 都内
公明党国交部会長 岡本三成 衆院議員
改正バリアフリー法の目的は、誰もが安心して暮らせる「真の共生社会」の実現であり、公明党が長年訴えてきたものです。そのためにはハードだけでなく、ソフト対策の強化が欠かせません。改正法で「心のバリアフリー」の推進を明確に位置付けたことは、大きな意義があります。
公明党は2000年に交通バリアフリー法の制定を主導するなど、バリアフリー化の促進に一貫して取り組んできました。今回の改正法にも、全国の公明議員から寄せられた現場の声が盛り込まれています。
バリアフリーにゴールはありません。全ての人が移動に不自由を感じることのない社会の構築へ、赤羽国交相と共に取り組みを加速させていきます。