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コラム「北斗七星」
沖縄本島最南端にある糸満市には、沖縄戦の戦跡もあり、訪れる人が多い。この糸満の地名の由来に、むかし英国船が座礁して乗組員8人が当地の洞窟に住みつき、「エイトマン」が「イトマン」になったという説があるそうだ。もちろん異説はあるが、全国の地名を探るといろいろな逸話があって面白い◆しかし平成の大合併によって、なじみの自治体名がいくつも姿を消した。変わって合併前の名前を組み合わせた「合成地名」が各地に登場、違和感を感じるとの声もある◆ただ合成地名は今に始まったものではない。東京だと「大森区」と「蒲田区」が合併した「大田区」や、国分寺と立川の間にできたことから名付けられた駅名が、そのまま自治体名になった「国立」などが代表例か。何十年もたつと違和感もなくなる◆政治の世界に目を転じると、議会政治を支える政党の名前は、その主義や主張を反映したものが多い。アメリカで政権を奪還した民主党の起源は18世紀末まで遡る。日本にも「民主」の名を冠した政党は多いが、現実にそれを体現するのは簡単ではない◆公明党の党名は、公明正大、清潔な政治を標榜したもの。この名の下に腐敗政治と闘い、大衆のための政治実現に走り抜いてきた。この名に込められた精神が公明党と支持者との心を結ぶ原点だ。(千)