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2021年3月30日

【主張】災害関連死の防止 避難生活の環境改善が重要だ

災害が起こるたび、避難生活のストレスや過労などで体調を崩して亡くなる「災害関連死」が問題視されてきた。

11日で発生から10年を迎えた東日本大震災では、3700人超が関連死と認定された。特に福島県では2320人に上り、原発事故に伴う避難生活の長期化の影響が色濃く反映されている。来月14日で発災5年となる熊本地震では、関連死が全体の死者数の8割を占めた。2018年の西日本豪雨や、19年の台風19号でも関連死が出ている。

今後、南海トラフ巨大地震や首都直下地震などが起これば、膨大な数の被災者が長期の避難生活を余儀なくされる。過去の教訓に学び、命を確実に守る対策を急ぎたい。

関連死を防ぐ上で重要とされるのが、避難生活の環境改善だ。

国は16年に、避難所開設時から解消までに実施すべき業務や、高齢者ら災害弱者への配慮などを示した「避難所運営ガイドライン」を策定。自治体側は、これを基に対策を進めている。さらに、コロナ禍で感染対策も求められている。生活の質を伴った運営方法に知恵を絞ってほしい。

自治体への支援策も強化され、新年度から、緊急防災・減災事業債の対象に避難所における感染対策が加わる。トイレや更衣室の増設、感染防止用備蓄倉庫などを整備する費用の実質7割を国が負担するものだ。各自治体は積極的に活用してもらいたい。

熊本地震では、自家用車の中で寝泊まりしてエコノミークラス症候群を発症し、急性心筋梗塞につながるケースがあった。避難所を使わない被災者の健康管理に目配りする必要がある。避難所から仮設住宅などに転居した人への対応も忘れてはならない。

亡くなった方への弔慰金にも触れておきたい。関連死は阪神・淡路大震災から弔慰金の支給対象となった。遺族の申請を受け自治体の審査委員会で判断し、認定されると最大500万円が支払われる。

しかし、自治体間で認定に差が出る傾向がある。このため、国は2年前に災害関連死の定義を定め、来月にも過去の認定例などをまとめた事例集を作成する予定だ。自治体に周知し、格差を生まないようにすべきである。

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