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【主張】困窮女性への支援 生理用品の提供も進めたい
女性にとって必需品である生理用品を購入できない人がいる。支援の手を差し伸べる必要がある。
政府は23日、新型コロナウイルス対策として2020年度に計上された予備費を使い、「地域女性活躍推進交付金」の拡充を決めた。同交付金は、孤立する女性を支援する民間団体の活動を後押しするもので、訪問支援や居場所提供、相談支援などの事業に活用される。
今回の拡充で重要なのは、民間団体が困窮女性に生理用品を提供するための費用にも交付金を活用できるようにしたことである。
経済的な理由から生理用品を買えない女性がいる問題は「生理の貧困」と呼ばれ、コロナ禍で顕在化した。
生理を巡る環境の改善をめざす任意団体「#みんなの生理」は、高校生や大学生らを対象に2月中旬からオンライン調査を行っている。
今月2日時点の集計によれば、過去1年で「金銭的理由により生理用品の入手に苦労した」との回答は20.1%に上った。交換頻度を減らして節約していた割合は37%だった。深刻な事態である。
このため公明党の佐々木さやか氏は、4日の参院予算委員会で実態把握と必要な対策を講じるよう訴え、政府から「今後、何ができるか検討したい」との答弁を引き出した。さらに公明党は、15日にも菅義偉首相に困窮女性を支援するよう申し入れている。
政府が公明党の主張を反映し、生理用品の無償提供に道を開いたことを評価したい。
「生理の貧困」問題については、今回の交付金拡充とは別に、対策に動き始めた自治体もある。防災用に備蓄していた生理用品を役所などで配布したり、学校の個室トイレなどに配置し、必要とする女性に提供するというもので、各地の地方議会公明党や党総支部も首長に要望するなど推進している。
こうした中で国による交付金拡充は、「生理の貧困」の解決に向けた民間の取り組みを促進するものと言えよう。
交付金は、困窮女性を支援する民間団体に自治体が事業を委託する場合の委託料を国が負担する仕組みだ。自治体が積極的に活用するよう公明党が後押ししたい。