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2021年3月22日

コラム「北斗七星」

「津波はまた牙をむく。語り継いで」。北海道在住の三浦浩さん(43)の心に深く刻まれている言葉。岩手県を中心に、40年近く津波体験を紙芝居で語り続けていた故・田畑ヨシさんに伝えられた。三浦さんは、それに突き動かされ被災体験を多く語るように◆その体験とは1993年、奥尻島を襲った北海道南西沖地震。当時15歳の三浦さんは祖父母とともに自宅裏の坂道を無我夢中で駆け上がり、九死に一生を得た。10年前の83年に起きた日本海中部地震での経験が生きた。だが自宅は流され、知人も失った。辛い体験として長く心にのしかかった◆転機となったのは、10年前の東日本大震災後に聞いた「てんでんこ」(てんでんばらばらに逃げろ)の言い伝え。祖父母から教わった内容と同じだったと知る。そして田畑さんと出会い、三浦さんは活動に共感。紙芝居を作り本格的な語り部に◆「『ここではだめだ、流されてしまう』。はっと我に返ったひろし君は、最後の力を振り絞って高台へ駆け上がりました」。紙芝居『あの坂へ いそげ』の一コマだ。子どもたちに分かりやすく震災体験を語って全国を巡る三浦さん。これまでに100回を超え、今月11日にも披露◆「風化することが最も怖い。伝えることで救われる命がある」と三浦さんは命ある限り、体験を語り継ぐ覚悟だ。(刀)

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