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参院長野補選での野党共闘
“共産色”強い協定で亀裂
編集メモ
4月の参院長野選挙区補欠選挙に当たり立憲民主党の予定候補が立民、共産、社民3党の県組織などと結んだ「協定書」を巡り、野党間の共闘体制に亀裂が生じている。
その原因となったのは協定書に明記された「共同政策」で、日米同盟の見直しなど“共産色”の強い内容が盛り込まれていたからだ。このことが発覚した途端、同予定候補の推薦を決めた国民民主党や、立民・国民両党を支援する労働組合全国組織「連合」から「このままでは応援できない」などと反発する声が噴出した。
実際、共同政策には、「韓国や北朝鮮との不正常な関係を解消するために、日米同盟に頼る外交姿勢を是正」「消費税を10%から5%へ軽減」「安保法制、特定秘密保護法、共謀罪など、違憲の疑いの濃い法律を廃止」「再生可能エネルギー100%を実現し、原発ゼロ社会をめざし」などと書かれている。
日本共産党の小池晃書記局長は「(同党が)提唱した『新しい日本をつくる五つの提案』の内容がしっかり盛り込まれ」(6日付「赤旗」)と大はしゃぎしているが、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は5日の記者会見で「国家の基本に関わる問題で、あまりにもわが党と違う方向性で協定を結ばれた」と指摘、9日には予定候補側に協定内容の修正を求めた。
また、連合関係者からは「これでは『立憲共産党』だ」(5日配信「産経ニュース」)との声が上がっているほか、連合傘下の自動車総連会長は「許しがたい内容だ」(5日配信「共同」)と猛反発。
連合の相原康伸事務局長の呼び出しを受けた立民の平野博文選対委員長は「長野県連に協定を結び直すよう指示した」(同)といわれる。
共産党は野党連合政権をつくる「決定的な推進力」(志位和夫委員長)になると意気込むが、共同政策を巡っては野党共闘だけでなく、立憲の党内や支持団体との関係にも亀裂が入った。
共産党は“推進力”どころか、分断を引き起こす“元凶”であることが露わになっている。(影)