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教育無償化 拡大めざす
少人数学級の充実も
脱炭素へ水素活用を促進
山口代表、N高で特別講義
公明党の山口那津男代表は8日午後、インターネットと通信制高校の制度を活用した私立高校「N高等学校」(N高)の特別講義に出演し、公明党が推進した教育無償化をはじめとする教育政策や脱炭素社会の構築、若年層や女性の自殺を防ぐための孤立防止など多岐にわたるテーマに関して、高校生の質問に答える形で見解を述べた。司会はN高特別講師で国際政治学者の三浦瑠麗氏が務めた。
講義の中で山口代表は、公明党が教育無償化に力を入れている理由を問われ、「親の経済力によって子どもの教育機会が奪われてはならない。公明党は幼児教育無償化や私立高校授業料の実質無償化、大学など高等教育の一部無償化を進めてきた。これからの10年で、この無償化を拡大するのが目標だ」と力説。また、子ども一人一人にきめ細かく対応できるよう、さらなる少人数学級の実現にも尽力していく考えを示した。
再生可能エネルギー(再エネ)の普及に向けた取り組みに対する質問には「化石燃料ではなく、再エネを最大限活用していく社会をめざしてきた」と説明。公明党が政府に対し脱炭素社会の実現を訴えてきた結果、2050年の政府目標として「カーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)が設けられた」と語った。
その上で、脱炭素社会に向けた取り組みでは、風力や太陽光など再エネの発電コストの低減や水素の積極的な活用へ技術開発を飛躍的に進めていく必要性を指摘した。
困窮者が相談しやすい体制築く
長期化するコロナ禍にあって増加する自殺や孤立化への対応を聞かれた山口代表は、「コロナ禍は弱い立場の人にしわ寄せがいく。そうした人たちが生活に困らないよう対策をしっかり打っていくことが大事だ」と力説。また、「気軽に相談できるような体制を整えていくことが重要だ」と述べ、相談体制の充実へ相談員の確保や人工知能(AI)の活用などを進めていくと語った。
結婚後も、夫婦同姓か別姓か自由に選べるようにする選択的夫婦別姓への見解を問う質問には、「公明党は一貫して賛成だ」と回答。伝統的家族観だけにとらわれるのは時代の流れにそぐわないと指摘し、「自分で名乗る名前を選べる選択肢があることが当面は望ましい」との考えを示した。
一方、今後の自民党との協力に関する質問に山口代表は「政策の合意をしっかり交わし、着実に実行していくことと、選挙協力で自公で過半数の議席を獲得できるよう努力してきた。これが効果を上げていると思う。協調してお互いを補いながら、国民の望む政治を実行していく」と語った。
特別講義には全国で1万6000人超が視聴。終了後に寄せられたアンケートでは、「とても良かった」が73.5%、「良かった」は11.8%に上り、計85.3%が評価した。