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元首相「共産と同じ政権担えず」
編集メモ
今月2日に2021年度予算案が衆院を通過した際、立憲民主、共産両党は予算案の組み替え動議を共同提出した。しかし、同じ野党の国民民主党の賛同すら得られず、当然、否決された。
ところが、共産党は、翌3日付の機関紙「赤旗」で、この組み替え動議について「協議・共同の集大成」「違い前提に一致点へ」との大見出しで報じた。よほど立憲との共同提出がうれしかったようだ。
というのも、衆院選が近いと見てか、最近の共産党は「政権交代、一気にやらなくちゃ」(志位和夫委員長)などとあおり、立憲など他の野党に、自らも参画する「野党連合政権」構想への合意を迫っているのだが、余りの独り善がりぶりに各党との間に溝が広がっているのである。
実際、立憲民主党内は同構想の「具体化に慎重」(2月25日付「毎日」)であり、党幹部からも「国家観の開きが大きい。それを共有することもなく政権を共にすることは難しい」(同「産経」)との声が上がっているといわれる。
共産党の志位委員長は「政治的相違点を持ち込まないで、一致点で政権を運営すればよい、心配いりません」(「週刊金曜日」2月19日号)と強がってみせる。
だが、立憲民主党最高顧問の野田佳彦元首相は2月16日のテレビ番組で、共産党と同じ政権を担うことは「難しい」とバッサリ。社民党などとの連立だった民主党政権を振り返りながら「基本的な政策が一致しなければ、政権は壊れますよ。われわれも連立政権だったが、ものすごく大変だった。よほど基本的な政策で一致していないと同じ政権は担えない」とも。
政権運営を経験した元首相、“共産党の「ご都合主義」がまかり通る政権など成り立たない”と斬って捨てているのである。(夫)