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2021年3月4日

【主張】カーボンプライシング 環境と経済の両立へ議論深めよ

二酸化炭素(CO2)の排出量に価格を付け、排出者にコスト負担を求める「カーボンプライシング」。その本格的な導入に向けた検討が環境省と経済産業省で進められている。

2050年までに脱炭素社会を実現するとの政府目標を達成する上で重要な取り組みだが、一方で課題も多い。しっかりと議論を深める必要がある。

カーボンプライシングの代表的な制度としては「排出量取引」と「炭素税」がある。

このうち排出量取引は、企業などが排出できるCO2の上限(排出枠)を国が設定し、上限を超えた企業が上限に達していない企業から排出枠を購入するというものだ。

炭素税はCO2の排出量に応じて企業などに課税する。同様の制度として「地球温暖化対策税」が既に導入されているが、これに代わり炭素税は税率のアップや課税対象企業の拡大などが検討されている。

いずれの制度も、CO2の排出量が多いほどコストが増えるため、企業に排出削減努力を促す効果が期待できる。

国内で排出されるCO2の約半分が企業活動によることから、排出量取引や炭素税の導入が脱炭素化に果たす役割は大きいとみられている。

課題は、負担増が企業に及ぼす影響だ。例えば、排出削減に向けた技術開発には費用と時間が必要だが、新制度によって新たな負担が生じれば、排出削減の取り組みが停滞しかねないとの懸念が産業界にある。

排出枠や税率の設定も難しい。あまり厳しい水準にすると、規制の緩い国に移転する企業が増えて国内の産業空洞化を招くのではないかとの指摘がある。

海外に目を転じると、排出量取引は欧州連合(EU)が05年から実施しており、近隣国を含め31カ国で運用されている。アジアでは韓国が15年に導入した。炭素税は1990年にフィンランドが初めて導入して以来、各国に広がっている。

カーボンプライシングの導入について、政府は年内にも結論をまとめる方針だ。各国の取り組みも参考にしながら環境と経済の両立をめざしてほしい。

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