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2021年3月3日

【主張】対人地雷ゼロへ 急がれる即席爆発装置の除去

対人地雷の使用や貯蔵、生産などを禁止し、その廃棄や除去も求める「対人地雷全面禁止条約」(オタワ条約)。日本を含め164カ国を数える同条約の締約国は、「対人地雷のない世界」を2025年までに実現するとの目標を掲げている。

その達成を阻む最大の障害となっているのが、紛争地や治安が不安定な地域などで多用されている「即席爆発装置」(IED)だ。IEDは簡易型地雷とも呼ばれ、対人地雷に含まれる。オタワ条約の締約国は、その全面禁止に向けた取り組みに本腰を入れるべきである。

先月22日に開かれた国連安全保障理事会の会合で、東アフリカのソマリアの治安が急速に悪化しており、特に、テロを繰り返しているイスラム過激派組織のアッシャバーブがIEDを主要な武器として使用し、多くの市民の命を奪っていることに大きな懸念が示された。

これを受け、日本政府は、ソマリアで地雷除去や爆発物の処理を支援する国連地雷対策サービス部(UNMAS)に対して、4億4000万円の無償資金協力を行うことを発表した。

UNMASによると、17年から19年までの3年間で、ソマリアにおけるIEDの犠牲者は5533人。そのうち、死者は2177人に上るというから被害は甚大である。ソマリアの治安悪化は、東アフリカ地域全体の不安定化につながるとも指摘されているだけに、日本の支援は重要だ。

ソマリアだけでなく、イラクやシリア、イエメンなどでも頻繁に使われているIEDは、紛争地で入手が容易な砲弾などの弾薬を改造したものや、農業の肥料を爆薬としたものなど多様である。道端に転がっている石と見分けがつかないような形状をしているIEDも多く、除去が困難であり、UNMASや各国の地雷処理チームの要員を狙って仕掛けられていることも少なくない。

IEDは遠隔操作で任意に起爆できるものもあるため、仕掛けられている場所に近づく前に探知する技術の開発が急務となっている。IEDの除去を本格的に進めるための技術開発も、日本が主導して進めたい。

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