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【主張】承継支援 個人事業主の税負担軽減さらに
経営者の高齢化と後継者難により、黒字経営にもかかわらず廃業を余儀なくされる中小・小規模事業者が増えている。事業承継を支援する取り組みを一層強化したい。
事業承継については、非上場企業の株式を引き継ぐ際にかかる相続税や贈与税が足かせとなっていたため、今年度から税負担を100%猶予できるようにした。公明党の強い主張で実現した事業承継税制の拡充である。
こうした支援策に対する中小企業の関心は高い。国が各都道府県に設置し、事業承継に関する相談に応じている「事業引継ぎ支援センター」によると、昨年度は8526件だった相談件数が今年度は上半期だけで5648件に達し、年間で1万件を突破する勢いだという。
しかし、課題はまだある。とりわけ強調したいのは、個人事業主に対する支援だ。
株式会社といった法人を設立せず個人で事業を営む人は国内で約200万人に上り、小規模事業者の6割を占める。英会話教室や青果店の店主、フリーランスのデザイナーなど事業内容も多様だ。
個人事業主には株式譲渡に関する負担軽減の恩恵はないが、事業用の宅地に対する相続税の負担を最大8割軽減する特例措置がある。問題は、個人で保有する設備や建物など宅地以外の資産が税負担の軽減対象になっていないことだ。この点に関する手だてが欠かせない。
中小企業庁によると、2025年に70歳以上となる個人事業主は約150万人と推計される。公明党の全議員が取り組んだ「100万人訪問・調査」でも、事業承継の際に税制支援を受けたいとの声が寄せられている。まさに「待ったなし」の課題だ。
公明党の斉藤鉄夫幹事長は衆院代表質問で「事業継続に不可欠な事業用資産の承継に伴う税負担の軽減など、次期税制改正でさらなる対策を講じるべきだ」と、個人事業主向けの事業承継税制の創設を提案した。安倍晋三首相は「予算や税といった総合的な支援を進める」と答えた。
年末に向けた税制改正論議では、課税の公平に留意しつつ、個人事業主による承継が円滑に進む支援の枠組みを検討すべきである。









