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【主張】デジタル広告 取引先と個人情報の保護進めよ
巨大IT企業が運営するウェブサイトや検索サービスに掲載されているデジタル広告について、公正取引委員会が問題点を指摘した。取引先企業の利益や消費者保護の視点から運営側に対応を求めている点に注目したい。
公取委は先週、デジタル広告の取引実態に関する最終報告書を公表した。
この中では、デジタル広告を巡り、グーグルやヤフーなどの巨大IT企業が一方的に掲載を打ち切ったり、契約審査の基準を変更したりする事例について、独占禁止法上の「優越的地位の乱用」となる恐れがあるとの見解を示した。
国内のデジタル広告は、雑誌広告やテレビCMなどを含めた広告市場全体の3割を占め、このうちグーグルの検索サイトのシェア(市場占有率)は8割に上る。
このため取引先企業は、不利な要求でも従わざるを得ないケースがあるという。報告書が巨大ITの行為に警鐘を鳴らしたのは当然と言える。
折しも今月、巨大ITが運営するオンラインモールとアプリストアについて、取引内容などの定期報告を義務付ける新法が施行された。その対象に、デジタル広告を加えるかどうかについて現在、政府内で議論が行われている。透明かつ公正な取引の実現をめざすべきだ。
デジタル広告における個人情報の利用についても、報告書は懸念を示している。
検索サービスなどの利用規約には、個人情報を広告配信に活用することが記載されている。ところが公取委によると、規約を全て読む人は全体の1割にも満たない。
この点について報告書は、利用目的の説明が曖昧なまま、サイトの閲覧履歴などの個人情報を広告事業に使うことも「優越的地位の乱用」に当たりかねないと指摘する。規約の表示方法を分かりやすくするといった努力が必要だ。
デジタル広告の金額はクリックされた数などに応じて高くなる。クリック数を稼ぐため、刺激的または虚偽の表現を使って関心を集めようとする行為が横行する可能性も指摘されている。
報告書にあるように、広告の信頼性を確保する取り組みも、巨大ITに求められている。









