ニュース
大規模水害時 事前避難者に宿泊費補助
逃げ遅れや孤立を防ぐ
「広域避難」発令時 1泊3000円支給
東京・江戸川区
東京都江戸川区は、豪雨や高潮で河川氾濫の恐れが高まった際、区外の宿泊施設へ自主避難する区民に対し、宿泊費の一部として区民1人当たり1泊3000円の補助金を支給する制度を2021年度から導入する。全国初の試みで、鉄道の運転見合わせなど移動手段が使えなくなる前に安全な地域への避難を促し、逃げ遅れや孤立の被害を軽減するのが狙い。
担当者から説明を聞く区議会公明党の(右から)田中淳子、竹平ちはる、所隆宏、窪田龍一の各議員
江戸川区が導入する新たな補助制度は、大型の台風が接近する、おおむね3日前に、江東5区(墨田、江東、足立、葛飾、江戸川)が共同で各区民に避難準備を呼び掛ける「広域避難情報」を発令した時点で適用される。実際に被害が発生しなくても、1人当たり3泊分(計9000円)までを支給する。約70万人の全区民が広域避難した場合の総額は約63億円と試算しており、財源には区の災害対策基金を充てる予定。
区は今後、避難先の情報として活用してもらえるよう、協定を締結する旅行会社や旅館団体などのウェブサイトを区のホームページ上に掲載する予定だ。
区防災危機管理課の本多吉成・統括課長は「(補助の導入で)自主的に広域避難をしてもらえるよう背中を押すことができれば」と制度の意義を強調している。
東京23区の東部に位置し、荒川と江戸川の流域にある江戸川区などの江東5区は、土地が海面より低い海抜ゼロメートル地帯が多く、洪水や高潮などで大規模な浸水が起きると想定されている。荒川と江戸川が同時に氾濫した場合、住民の9割に相当する最大約250万人が水没地域に取り残される可能性があるとも指摘される。
これに対し、5区内には十分な避難場所がないのが現状。このため、各区は周辺自治体に逃げる「広域避難」のほか、建物の高層部などに退避する「垂直避難」を推奨している。
江戸川区は、荒川、江戸川、東京湾と三方を水に囲まれ、陸地の7割が海抜ゼロメートル地帯。水が引くまでに2週間以上かかる地域もあるため、特に「広域避難」を重視する。
区議会公明党(竹内進幹事長)は、議会質問や予算要望を通じ、防災・減災対策の推進を一貫してリード。昨年10月には、斉藤猛区長に、大規模水害対策に関する緊急要望書を提出し、「広域避難」による避難先確保などを訴えていた。










