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丸亀城の石垣修復を早く
豪雨、台風で崩落拡大
香川・丸亀市
香川県丸亀市にある国の史跡・丸亀城跡。「扇の勾配」と呼ばれる美しい曲線の石垣が、西日本豪雨や台風24号などの影響で数度にわたって崩落し、無残な姿となった。公明党の山本ひろし参院議員(参院選予定候補=比例区)はこのほど、2度目の視察で被災現場を訪れ、内田俊英、福部正人の両市議と共に関係者から被害状況や今後の対応について話を聞いた。
丸亀城の崩落した石垣の現場を視察する(左から)福部、内田の両市議と山本氏ら
山本氏が復旧支援に全力
丸亀城は、全国に現存する「現存十二天守」の一つで、国の重要文化財に指定されているほか、公益財団法人日本城郭協会が選定した「日本の100名城」にも選ばれている。近年は観光客が増加し、昨年の来場者は12万人を超えて過去最高となるなど、多くの人に親しまれている。
ところが、7月上旬の西日本豪雨の影響により、城の南西部を取り囲むように築かれた「帯曲輪」と呼ばれる石垣の一部が、高さ約7メートル、幅約30メートルにわたり崩落。美しい石垣を目的に訪れる人も多いため、地元からは早期対応を求める声が多く寄せられた。
西日本豪雨による崩落の直後、山本氏は、内田、福部の両市議と共に現地を視察し、早期復旧に向けた方策を文化庁に要請。同庁の国庫補助事業を活用しながら、17年間で復旧をめざす工事計画が立てられた。
しかし、9月末から接近した台風24号の影響で、10月8日には南西部の帯曲輪のうち、西側の面が高さ約16メートル、幅約18メートルにわたって新たに崩落。翌9日には、「三の丸」と呼ばれる石垣のうちの「三の丸坤櫓跡石垣」も、高さ約17メートル、東西約25メートル、南北約30メートルの広範囲にわたって崩れ落ちた。
この事態を受けて山本氏は再び、内田、福部の両市議と共に崩落現場を視察した。市教育委員会教育部の川田良文部長は「被害の拡大により復旧へと動き出した計画が白紙に戻ってしまった。今はまだ作業の行程も決まっていない状態。文化財の価値を守りながらの修復には時間がかかるが、一刻も早く修復したい」と語っていた。
丸亀城の様子を心配する市民も多いため、市では石垣の様子を近くで見られるように迂回路を整備。また、市民センターなど市内11カ所で復旧支援の募金も受け付けている。
同城を訪れていた市内に住む76歳の男性は「子どもの頃から親しんできた丸亀城は、市民の誇り。今の姿は寂しく感じる。早期の復旧と同時に、これ以上被害が広がらないように手を打ってほしい」と話していた。
視察後、山本氏は「丸亀城は地域にとって大切な文化財。市民の思いを関係各所に伝えていきながら、財源を確保してできるだけ早く対応を進めていけるように取り組みを支援していく」と語っていた。