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気兼ねなく乳幼児と外出
少量の購入が可能に
手元に予備がない時に安心
県内5カ所 紙おむつの自動販売機
滋賀・甲賀市
谷口さん(左端)と紙おむつ入りの自販機前で懇談する市議会公明党のメンバー(奥中央3人)
滋賀県甲賀市は先月末から、赤ちゃん用の紙おむつも備えた飲料用自動販売機を県内で初めて設置し、乳幼児を育てる世帯から喜ばれている。これは、自販機の中に紙おむつやウエットティッシュが陳列されており、24時間購入が可能。気兼ねなく外出できるよう、市の子育て支援センターや道の駅など5カ所に配備した。導入に向けて訴えてきた市議会公明党(堀郁子幹事長)はこのほど、育児中の母親らと懇談した。
「少量のおむつが買える自販機があると、本当に助かる」。こう笑顔で話すのは、9カ月の赤ちゃんと3歳、6歳、8歳の子どもを育てる谷口慶子さん。
育児中の外出は、母子手帳や哺乳瓶、着替えなどの持ち物が多い。それに加え、予備用の紙おむつを何枚も持ち歩くと、それだけで大荷物になってしまう。そうしたことから、谷口さんは、紙おむつと拭き取り用のウエットティッシュをカバンに補充せずに外出してしまうこともしばしば。
幼い子どもらを育てている世帯によると、外出時に紙おむつが足りなくなり、「数枚だけ欲しい」という声は多い。その一方で、一般的に売られている紙おむつは、1パックにつき約20枚から100枚入りと大容量な上、外出時の“お荷物”になりかねない。
谷口さんも緊急時には、やむを得ず薬局などで大容量の紙おむつを買っていたと振り返り、「紙おむつが家にもまだたくさん残っているから、少しだけ買えればいいのに……」と何度も思ったという。
堀幹事長は自身の子育て経験を踏まえ、昨年9月定例会で、観光客や子育て世帯に対し、紙おむつの自販機を導入し、子育てしやすい市をアピールすべきだと訴え、実現の運びとなった。
市子育て政策課の谷泰彦課長は「市内には信楽焼や『忍者の里』などの観光地があるので、観光客がさらに訪れやすいよう、増設を検討していきたい」と語った。
自販機が導入され、谷口さんは「市内だけでなく、全国各地に紙おむつの自販機があれば、旅行先でも気兼ねなく楽しめる」と述べ、「紙おむつのメーカーによっては、赤ちゃんの肌がかぶれることもある。何種類か選べたら、さらにうれしい」と話していた。
堀幹事長は「今後も子育て世帯に寄り添い、子どもを生み育てたいと思える施策を、さらに展開していきたい」と決意を述べた。