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2021年2月16日

コラム「北斗七星」

6日に亡くなったシュルツ元米国務長官は、レーガン政権で旧ソ連との緊張緩和に努め、冷戦終結へ道筋をつけたことで知られる。「双方の疑念を除去して信頼関係を構築していくのが私の仕事でした」(9日付 産経新聞)との回想は含蓄に富む◆2007年にはキッシンジャー元国務長官らと共に「核兵器のない世界」の追求を提唱。オバマ元米大統領の「プラハ演説」や核政策に大きな影響を与えた一人だった◆オバマ政権下の11年に発効した、ロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)が5日の期限切れを前に5年間延長された。配備する戦略核弾頭数と大陸間弾道ミサイル(ICBM)など運搬手段の総数を制限する条約だ◆多数の長射程核戦力が維持されるのは残念だが、米ロ間に残る唯一の核軍縮の枠組みが失効するといった事態が回避されたことを多としたい。査察やデータの交換など検証制度が存続した意義も大きい。こと核軍備に関しては、どちらが優勢なのか分からないという疑念が、双方をし烈な兵器開発競争へと駆り立てていくから◆オバマ政権で副大統領を務めたバイデン米大統領は核軍縮に意欲的と聞く。軍拡を進める中国を含めた新たな軍備管理の枠組み構築に努力してもらいたい。米国にリーダーシップを発揮してもらわなければ困る。(中)

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