公明党公明党

公明党トップ / ニュース / p14929

ニュース

2018年11月4日

コラム「座標軸」


「秋深き隣は何をする人ぞ」(松尾芭蕉)。本来は隣人に関心を抱く句なのだが、最近では隣人との交流がない暮らしぶりを例えるために引用されることが多い。芭蕉も驚いているかもしれないが、人間関係が希薄になりがちな現代の世相を反映しているといえる◆今、地域再生のあり方を探る一つの動きとして、住民主導で進める「地区防災計画」が注目されている。本紙で紹介されたが、先月、内閣府主催の会合で報告された事例は示唆に富む◆岐阜県下呂市小坂町の落合地区(人口237人)。高齢化率が高く、住民は顔見知りだが、信頼関係が薄い。計画作りを始めた2年前は、「結束なんて無理だ」と誰もが言っていたという◆それでも、地域の災害リスクを洗い出す中で、近隣5世帯で声を掛け合って避難するなどの発想が生まれ、一人一人の意識が変わっていく。先の西日本豪雨では、早い段階で全員が安全な場所に避難できた。片田敏孝・東京大学大学院特任教授は、災害を「わが地域ごと」と捉える時に信頼感が生まれると語る◆豊かな人間関係こそ社会への利益を生み出す「資本」となる。「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」と呼ばれる考え方だ。資本の蓄積を促す地域防災力の強化は、共生社会を築く契機となり得るだろう。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア