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在宅勤務と子育ての両立支援
託児施設で作業場提供
千葉・松戸市
託児施設「ほっとるーむ八柱」で利用状況を聞く市議会公明党(右側9人)
コロナ禍で増えるテレワークと子育ての両立を支援しようと、千葉県松戸市はこのほど、コワーキングスペース付き託児施設「ほっとるーむ八柱」を県内で初めてオープンした。子どもを預けて、その隣で親自身も仕事をするという「新しい生活様式」に注目が集まっている。市議会公明党(城所正美幹事長)が同施設を訪れ、関係者から利用状況を聞いた。
「ほっとるーむ八柱」は新京成電鉄八柱駅のビル内にある。総面積は約197平方メートル。親子で遊べる広場やカフェスペース、授乳室などが無料で利用できるほか、子育てコーディネーターによる育児相談も受けられる。
さらに、乳幼児の一時預かり室とともに、その利用者のためのコワーキングスペースも併設。一時預かりサービスは生後6カ月から就学前の子どもを対象とし、1時間500円の料金で最大4時間まで利用できる。一時預かりサービスを利用すると、無料でコワーキングスペースも使えることから、経済的な利点を実感しやすい。
安心感、コスト削減、時短に
感染防止による子どもの登園自粛などにより、家で子育てしながら仕事する場合、「子どもの世話で仕事に集中できない」「家事が気になる」といった悩みは多い。託児施設に子どもを預けて、カフェなどで仕事をする場合にも、移動時間やお金がかかってしまう。こうした仕事と子育ての両立に苦労する親に新たな選択肢を提案した形だ。
「ほっとるーむ八柱」のコワーキングスペースは半個室になったブースを計3席用意した。机や椅子、コンセントに加え、ネット通信環境も整備されている。高さ約1.5メートルの壁を挟んだ隣が、子どものいる遊び場や一時預かり室となっており、目に見える範囲に子どもがいることで親の安心感にもつながる。
現在は新型コロナの感染拡大の影響で、カフェスペースなどの利用が制限されているが、コワーキングスペースは1日2組ほどの利用があるという。
このほか、市は幼稚園の送迎バスの乗降時間前後に一時保育する送迎保育ステーション3カ所へのコワーキングスペースの設置も進めている。
「ほっとるーむ八柱」の利用者で、子育て関連のNPO団体に勤めている30代女性は「利用するのはきょうが初めて。持参したタブレットで事務作業を進められる。子どもを預けて、すぐ仕事に取り掛かれるのは、本当にありがたい」と話していた。
市議会公明党は議会質問を通じて託児施設の拡充やテレワークの普及を訴え、多様な働き方ができる環境整備を推進してきた。
コワーキングスペース
共同利用が可能なオフィス