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子ども望むがん患者を支援
受精卵など凍結に助成
公明 国・地方連携し推進
小児・AYA世代(15~39歳)のがん患者らが子どもを持つ希望を将来につなぐため、厚生労働省は、がん治療で生殖機能が低下・喪失する前に卵子や精子などを凍結保存する「妊孕性温存療法」に関して、4月から助成制度を開始します。凍結保存は現在、高額な自費診療で経済的負担が大きいため、厚労省は「費用の半額をカバーできる助成額を設定した」としています。
助成額は▽体外受精や顕微授精の受精卵で35万円▽卵子で20万円▽卵巣組織で40万円▽精子で2万5000円▽精巣内の精子採取で35万円――を施術1回の上限とする方針です。対象は、男女とも凍結保存時に43歳未満で、年齢の下限はありません。所得制限は設けず、助成は1人2回までとしています。
厚労省は、2021年度予算案で、同療法の研究なども含む関連経費として11億円を計上。3月にも、どのようながん治療を受けた患者を助成の対象とするかなどについて正式決定します。
小児・AYA世代のがん対策について公明党は、患者・家族らの声を踏まえ、15年8月に政府へ支援充実を提言。17年10月に閣議決定の第3期がん対策推進基本計画に同世代のがん診療体制の整備や相談・就労支援が盛り込まれました。卵子や精子の保存支援に向けては、18年7月に政府へ提言するなど積極的に働き掛けてきました。
こうした動きに呼応した公明党の地方議員の推進もあり、独自に同療法に対する経済的支援を実施する自治体が拡大。今回の国による助成につながりました。