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新燃岳噴火 降灰被害 シイタケ生産再開へ助成
国が原木購入費の半額負担
被災農家から喜びの声
宮崎、鹿児島県
今年5月、被害を受けた鶴田さん(左端)から話を聞く、かわの氏(右隣)ら
宮崎、鹿児島両県にまたがる霧島連山・新燃岳で今年3月に発生した噴火によって、降灰被害を受けた両県のシイタケ農家に対し、このほど生産再開に必要な原木などの購入費用を助成する制度が始まった。公明党の、かわの義博参院議員(参院選予定候補=比例区)の訴えが実ったもので、被災農家に喜びの声が広がっている。
新燃岳は今年3月、約7年ぶりとなる爆発的噴火を観測し、隣接する宮崎県小林市や鹿児島県霧島市などを中心に、広範囲の降灰被害に見舞われ、農作物などが大きな打撃を受けた。
特に、シイタケ農家は、両県合わせて11市2町の約100戸が被災。他の農作物にはある「共済制度」がないため、廃棄せざるを得ない作物の補償を受けられなかった。
かわの氏が推進役
霧島市でシイタケを生産する鶴田博幸さんは、降灰の被害を受け、収穫前のシイタケ約2トンの廃棄を余儀なくされた。かわの氏は今年5月、公明党の地元議員と共に鶴田さんを訪ね、被害状況を視察。鶴田さんから、灰が降り積もったシイタケは価格が落ち、洗浄して販売しても採算が取れないため、多くの農家がやむなく廃棄したという窮状を聞き、直ちに林野庁に対策を要望。すでに廃棄してしまったシイタケへの補償に代わり、生産再開に向けた今回の助成が実現した。
同助成では、シイタケ栽培に必要な原木や種駒(シイタケ菌を繁殖させた木片)について、国が購入費用の半額を負担することが柱。助成が決まったことを聞いた鶴田さんは、「一人の声を聞き、すぐに形にしてくれた。本当にありがたい」と笑顔を見せていた。
来年への希望の光に
鹿児島県椎茸農業協同組合 永岩和幸組合長
鹿児島県では、約70戸の農家が降灰被害を受け、大量のシイタケが廃棄されました。収穫の最盛期に差し掛かる前だったため、多くの農家が深刻な打撃を受けました。
生産者の高齢化が進む中で、被災農家からは「来年の生産は見合わせようか」との声も出るほどでした。生産再開に向けた助成は、本当に被災者の希望になったと感じています。
7年前に新燃岳が噴火した際も、多くの農家が被害を受けましたが、その時は補償などありませんでした。今回、公明党が被災農家の声を聞き、そこに光を当ててくれたことを本当にうれしく思います。