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2021年2月1日

【主張】新START延長 米ロは相互監視下で核軍縮を

戦略核弾頭の配備数と大陸間弾道ミサイルなど運搬手段の削減を定めた新戦略兵器削減条約(新START)の5年間延長で米国とロシアが合意した。現地査察など相互監視の下で核軍縮を進める検証システムが維持されることになった意義は大きい。

新STARTの削減目標は達成済みだが、米ロは今、核兵器の近代化や新たな戦略兵器を開発中だ。新STARTが失効し検証システムがなくなれば核開発の動きは不透明さを増し、相互不信を増大させるところだった。

米ロは核超大国として新STARTの現状を維持するだけでなく、今後5年間でさらなる核軍縮に努力し、同時に、将来を見越した戦略兵器削減のための新たな条約を構想する責任がある。

1月に発効した核兵器禁止条約は「核保有国の核軍縮義務を定めた核不拡散条約(NPT)は生ぬるい」という声で実現した。軍縮義務の軽視はNPTという「核兵器のない世界」に向かう重要な基盤を掘り崩してしまう。

NPTが認めた核保有国のうち、米ロはともに新STARTで戦略核弾頭の配備数は1550発以下にしたが、戦術核も含めると米国は約5800発、ロシアは約6370発もある。これは、英国195発、フランス290発、中国320発と比べると桁違いの保有数である(2020年6月現在=長崎大学核兵器廃絶研究センターの推計)。まずは米ロがさらなる核軍縮を進め、NPTの義務を尊重する姿勢を示す必要がある。それなしには世界が望む多国間の核軍縮交渉は実現しない。

米ロ間では、中距離核戦力廃棄条約が米の一方的離脱で19年に失効するなど厳しい情勢になっていた。しかし、今回の新STARTの延長によって、核軍拡に歯止めがかかるだけでなく、新たに開発をめざしている戦略核戦力に対する制約ともなる。

ロシアは「新STARTで想定される標準的な手続き」として、19年に配備前の極超音速滑空兵器(HGV)を米国の査察官に見せた。このように現地査察を含む検証システムで透明化が進めば信頼醸成にもなる。新STARTの延長を実質的な核軍縮への重要な一歩にしてほしい。

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