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ウィッグ購入に助成
がん患者の心和らぐ
公明市議が実現「希望与えてくれた」
岩手・花巻市
「同じ悩みを抱える人に知ってほしい! 心が前向きになれます」――。岩手県花巻市で美容サロンを営む吉田和代さんは、ウィッグ(かつら)を手に笑みを浮かべた。
3年前、右肩に違和感を覚えた吉田さん。その後の精密検査で乳がんが見つかった。抗がん剤治療のため、仙台市内の国立病院に新幹線で通い、壮絶な治療に耐え抜いた。がんを克服した現在も、定期検査で通院を続けている。
「副作用で髪が抜け落ちていく自分の姿に心苦しかった」。吉田さんは自費で購入したウィッグを着用して日常生活を送る。ウィッグの購入費は保険対象外。種類によって数万円から数十万円と高額で、患者の精神的・経済的負担は大きい。
がん患者の人知れぬ窮状を知った公明党の菅原ゆかり市議は、2018年3月定例会で、購入費に係る補助制度の創設を提案。その結果、昨年4月から、がん治療によって脱毛が生じた患者に対する医療用ウィッグの購入費用の一部助成(上限2万円)が実現した。市によると、これまでに15件の利用があったという。
闘病体験を生かし、ウィッグ利用者のカットやスタイリングを始めた吉田さん。20日、制度の状況報告に訪れた菅原市議に対し「購入をためらう人に希望を与えてくれた菅原さんに感謝です」と語っていた。