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コラム「座標軸」
欧州を中心に世界でポピュリズム(大衆迎合主義)の脅威が広がっている。欧州では「ある意味、政治の主流」(水島治郞・千葉大教授 10月22日付「読売」)であり、「(日本でも)今は火の手が上がっていないだけで対岸の火事ではない」(谷口将紀・東大教授 同)という現実は警戒を要する◆ポピュリズムの形態は国によって様々だが、人気取りのため大衆の情緒的な感情や欲望を煽る煽動政治には共通項として「大衆は愚」とする間違った大衆観がある。それは、対案を示さず激情と対立を煽り立てるだけの日本の野党の姿勢にも垣間見える◆大衆観といえば、不滅の大衆文学を創造した吉川英治の「大衆即大智識」を思い起こす。公明党の立党精神「大衆とともに」の淵源は、1962年の第1回公明政治連盟全国大会。「大衆とともに」は、その当時、吉川氏の唱える「大衆は大智識」の大衆観とも響き合うものだった◆公明党は、「庶民の声を代弁する政党・政治家が欲しい!」という大衆の“衆望”を受けて誕生した党である。ポピュリズムの根っこには大衆を愚と見る大衆観がある。これに対し、大智識の大衆に寄り添い、ともに闘う、それが公明党だ◆ポピュリズムを危惧する声が高まる中で、公明党の使命は、いよいよ重い。