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命と生活 守り抜く
医療体制強化へ総力
パルスオキシメーター活用で症状急変迅速に対応
参院代表質問で山口代表
参院は22日、本会議を開き、菅義偉首相の施政方針演説などに対する各党代表質問を行った。公明党の山口那津男代表は、新型コロナウイルスの脅威から国民の命と生活を守り抜くとともに、新型コロナを克服して、日本の活力と成長を取り戻す本格的な構造改革を国民目線で着実に進めるよう強調。また、バイデン米大統領の就任を踏まえ、「国際協調や多国間主義を重視してきた日本の役割と貢献がますます重要になる」と力説し、日米関係の深化や地球温暖化対策、核兵器のない世界の実現なども訴えた。
コロナ対策について山口代表は、ワクチン接種の体制整備に向け「失敗は許されないとの強い覚悟で総力を挙げて取り組むべきだ」と強調した。菅首相は、自治体とも連携し「手順や優先順位なども国民に分かりやすく説明しながら準備を進める」と応じた。
宿泊・自宅療養者の症状変化を速やかに把握するため、血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターの配備が進んでいることについて、山口代表は「体調の変化に応じて医療機関と確実につながる体制を早急に構築するべきだ」と主張した。
事業者支援と罰則をセットにした特別措置法などの改正案に関しては「罰則の必要性や適用の具体例を示すなど丁寧な説明を」と訴えた。
子育てや教育について山口代表は、育児休業取得に積極的な中小企業への支援を求めた。小学校1クラスの上限人数を2025年度までに40人から35人に引き下げることに関しては、中学校も含めた30人学級の実現に向けて、検討を引き続き進めるべきだとした。
デジタルの恩恵 津々浦々に地域の防災 専門人材生かせ
デジタル社会の構築に向けて山口代表は、高速通信網などの「基盤整備が急務だ」と指摘。多くの人がデジタル化の恩恵を実感できるよう、高速通信規格「5G」が当たり前の社会を構築するよう求めた。菅首相は、来年度までに離島を含めて「津々浦々に光ファイバーを張り巡らせ、通信インフラ整備を進める」と答えた。
地球温暖化対策について山口代表は、今年11月に予定される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開催機会を捉えて「国際社会全体の温室効果ガス削減に貢献する具体案を積極的に発信するべきだ」と主張。自治体の再生可能エネルギー比率向上へ、実効性ある法改正や再エネ導入支援も促した。
日米関係の深化に関しては、日米両国が共に指導力を発揮し、新型コロナや気候変動など困難な課題の解決に取り組む重要性を力説した。核合意の立て直しに向けた米、イラン両国の歩み寄りのため、最大限の外交努力も訴えた。菅首相は「地域情勢など幅広い分野で、バイデン新政権と緊密に連携する」と述べた。
核禁条約の締約国会合、広島・長崎に招致せよ
「核なき世界」の実現に向け山口代表は、22日の核兵器禁止条約発効後に開催される締約国会合に日本がオブザーバーとして参加することや、被爆地である広島・長崎への会合招致など「国の具体的な貢献策の検討を強く求めたい」と迫った。
防災・減災対策を巡って山口代表は、流域治水やインフラの老朽化対策を進めるとともに、地方気象台のOB・OGなど、自治体の防災対応を支援する人材「気象防災アドバイザー」の活用推進を訴えた。菅首相は、自治体トップに直接働き掛けるなどして「十分に活用してもらう」と答弁した。