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15カ月予算、税制 成果を国民へ早く届ける
あすから通常国会 石井幹事長に聞く
あす18日、第204通常国会が召集されます。会期は6月16日までの150日間。最大の焦点となる新型コロナウイルスの感染拡大に加え、自然災害や少子高齢化など山積する課題に公明党はどう挑むのか、石井啓一幹事長に聞きました。
コロナ対策 病床確保 手厚く支援
ワクチン接種、体制整備急ぐ
――通常国会に臨む決意を。
石井啓一幹事長 11都府県に緊急事態宣言が発令される中、国民の最大の関心事はコロナ対策です。「15カ月予算」として一体で編成された2020年度第3次補正予算案と21年度予算案には、公明党の主張が随所に反映され、コロナ対策などが切れ目なく実行できる内容です。
15カ月予算と税制改正関連法案を早期に成立させ、その成果を国民へ早く届けることが何より重要です。政府としっかり連携を取って結束して臨みます。
――コロナ対策は。
石井 緊急事態宣言発令の根拠の一つは、感染者の急増で医療機関の病床が逼迫したことです。今月、今年度の予備費を使い、コロナ患者向けの病床を確保した医療機関への支援金を1床当たり最大450万円上乗せする緊急支援を決定しました。これにより重症者向け病床は最大1950万円、それ以外は最大900万円に拡充されました。
その上で、15カ月予算では都道府県が地域の実情に応じ、病床や軽症者の宿泊療養施設の確保に充てられる「緊急包括支援交付金」を約1.3兆円増額します。
――感染対策の決め手となるワクチン接種は。
石井 2月下旬からの接種開始が見込まれる中、希望者全員に無料で円滑に接種する体制の整備を急ぎます。国民が不安を抱くことがないよう、正確な情報発信に万全を期します。
加えて感染拡大の抑え込みにも力を入れます。営業時間短縮の要請や軽症・無症状者の宿泊・自宅療養などの対策の実効性を高めるため、コロナ対策の特別措置法や感染症法などの早期改正をめざします。
――雇用・生活支援は。
石井 休業手当を支払って従業員を休ませるなどした事業者を支援する「雇用調整助成金」の特例措置については、2月末まで延長されますが、一層の延長を政府に求めていきます。
緊急事態宣言下で、ひとり親や非正規労働者、生活に困窮する方々への影響の広がりが懸念されています。この現状を重く受け止め、きめ細かく支援の手を差し伸べていきます。
山積する課題
防災・減災 老朽インフラに備え
不妊治療 助成制度を大幅拡充
――激甚化する自然災害への備えも急がれます。
石井 「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」が今年度で終わることから、公明党の推進で15兆円規模の「5か年加速化対策」が21年度から始まります。河川の流域全体で治水を行う「流域治水」に加え、インフラが老朽化する前に補修する「予防保全」などに重点投資します。
また、発生から10年を迎える東日本大震災の復興は、「全議員が復興担当」との自覚で引き続き全力で取り組みます。
――不妊治療への支援や「少人数学級」の取り組みは。
石井 公明党は04年に坂口力厚生労働相(当時)の下、不妊治療費の助成制度を創設するなど、一貫して支援を充実させてきました。22年4月の保険適用開始までの間、現行の助成制度について、2回目以降の助成額を30万円に倍増するなど大幅拡充させます。
きめ細かい指導ができる少人数学級も、公明党の主張で前進します。小学校の1学級の定員40人(1年生は35人)を5年間かけ35人以下に編成します。
――ポストコロナという先を見据えた取り組みは。
石井 コロナ禍で打撃を受ける中小企業の生産性を高める支援が欠かせません。そこで、業態転換に挑む中小企業などに最大1億円を補助する「事業再構築補助金」を新たに設けます。
社会のデジタル化へ、官民の司令塔となる「デジタル庁」を9月に創設します。自治体の情報システムの標準化・共通化を図るため財政支援も行います。
脱炭素化も世界の潮流です。技術革新を後押しするため2兆円の基金を設けます。50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス実質ゼロ)の政府方針を達成するため、今後、党内で議論し、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)への提言につなげる考えです。
政治決戦勝利へ 顔の見える対話 カギに
――政治決戦勝利に向け何を訴えていきますか。
石井 今年は衆院選に加え、31日投票の北九州市議選や夏の東京都議選など大型統一外地方選挙が相次ぎます。
コロナ禍においても、現場の窮状を受け止めて政策を実現していく上で、公明党のネットワークの力が大いに発揮されている点を強くアピールしていきたいと考えています。困っている人に寄り添い、声を聴いて政治に反映させていくのが公明党の持ち味です。
また、各地の議会では、公明議員が合意形成の“要役”を果たしています。国政でも、公明党が連立政権に参画することで政治が安定し、生活者目線に立った改革が前進しています。
コロナ禍で活動に制約がありますが、「顔の見える1対1の対話」を通じ、いかに党への信頼を広げるかが勝利のカギです。公明新聞をはじめ、党のホームページや動画など、さまざまなコミュニケーションツールを生かし、党勢拡大のうねりを起こしていきます。