公明党トップ / ニュース / p140321

ニュース

2021年1月16日

【主張】地方移住の推進 的を絞った自治体の戦略が鍵

コロナ禍を機に地方移住への関心が高まっている。具体的な行動へと背中を押す取り組みを広げたい。

総務省によると、東京都では昨年7月以降、5カ月連続で転出者が転入者を上回り、「脱東京」の動きとして注目を浴びている。

ただ、これをもって「地方移住が進んでいる」と見るのは早計だろう。東京からの転出先は、ほとんどが神奈川、埼玉、千葉の近隣3県にとどまっているからだ。

首都圏を越えた地方移住の流れを加速するには、どうすればいいのか。

移住を断念する理由を挙げると、仕事や子どもの教育、医療など生活上の不安を拭えないことが大きい。こうした地方が抱える“弱点”を克服する必要がある。

関東学院大学の牧瀬稔准教授は「地方圏が移住先として選ばれるためには、脆弱である要素をすべて改善するのではなく、何かに特化すれば、東京圏とそん色がなくなる」(月刊「公明」2月号)と指摘し、戦略的な取り組みの重要性を強調している。

移住の決め手となる要素は人それぞれだ。それに、移住したいと考えている都民も、やみくもに移住先を探すわけではないだろう。

希望者のニーズを的確に捉え、選択肢の一つになることが、移住者獲得の第一歩ではないか。

愛媛県西条市は子育て世帯を中心にターゲットを絞り、参加者の要望に合わせた完全オーダーメード型の無料移住体験ツアーなどを展開。移住者の人数は、2017年度が106人、18年度289人、19年度346人と、年々増加している。

移住者を呼び込む“売り”となる特長は何かを考え、どの層を対象に、どうやって相手が求める情報を届けるか。移住政策を推進する自治体には、緻密な戦略に裏付けられた取り組みが求められよう。

デジタル技術の進展によって、住む場所に縛られないテレワークやオンライン教育、リモート診療などが普及すれば、地方の“弱点”の多くは解消される可能性がある。

そうした将来も見据えながら、地域の魅力を磨きつつ、先手を打つ取り組みを進めていきたい。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア