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2021年1月15日

コラム「北斗七星」

「めがさめる/どこもいたくない/かゆいところもない/からだはしずかだ/だがこころは/うごく」。詩人・谷川俊太郎の『あさ』の一節だ。米寿を機に昨夏上梓した詩集『ベージュ』(新潮社)にある◆詩人は先行きへの危機感を詩に込めたのかもしれぬ。静かな朝。体調も普段と変わらぬのに……。事前に聞いていたとはいえ、「緊急事態 11都府県に拡大」と各紙が一斉に同様の見出しを打ったのを見、さすがに心がざわめいた◆それにしても、なぜコロナの感染急拡大が止まらないのか。「昼間でも感染リスクは変わらない。昼の外出も控えてほしい」。連休明けの政府の訴えである。人の移動を抑えねば効果は上がらぬのだ◆行動変容に成功した一例がある。米でハリケーンが上陸した際、避難を促す上で効果的だったのが、命の危険を想起させる「残留する人は身体にマジックで社会保障番号を書いてください」とのメッセージだったという。自由な選択を確保しつつ、人心を捉え、より良い行動を引き出すナッジという手法だ。大竹文雄著『行動経済学の使い方』(岩波新書)で知った◆ナッジを用い行動変容に効果を上げた国内例も多数報告されている。詩の続きにこうあった。「いのちは/いつもあやういのに」。命と生活を守るために何をなし、伝えるのか。勝負どころだ。(田)

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