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2020年12月29日

【主張】暗雲が覆った世界 最悪の人道危機終結へ一条の光も

今年は、新型コロナウイルスという名の暗雲が世界中を覆った年となった。

感染の拡大を防ぐため、各国が人やモノの移動を制限せざるを得なくなった。この影響で、途上国や紛争地、被災地などに医療用物資や食料を届ける、国連などによる人道支援が著しく滞った。

このままでは、創設以来、最もひどい人道上の悲劇を招くと国連は危機感を強めている。どうにかして、貧困や飢餓で苦しむ人たちに手を差し伸べる努力を続けたい。

暗雲に差し込む一条の光もある。内戦が続く中東のイエメンで、日本など各国に正統な代表として見なされているハディ暫定政府と、分離独立を主張し、暫定政府と対立していた勢力が協力し、新政権を発足することで今月18日、合意した。これにより同国は、安定化への大きな一歩を踏み出すと期待されている。

イエメンでは2015年から激化した内戦で、1万人以上が死亡。人口の半数を超える約1800万人が食料不足に苦しみ、約300万人が深刻な栄養不足にある。

グテレス国連事務総長は「ここ数十年間で世界が目撃した中でも、イエメンは最悪の飢餓状態に陥っている」と訴え、各国に支援を呼び掛けている。イエメンでの新政権の発足は、この人道危機を終わらせるチャンスである。

特に、国連世界食糧計画(WFP)への支援を強化したい。WFPは、5600台のトラック、30隻の船舶、100機近い航空機を運用し、毎年150億食に上る量の食料支援を実施する世界最大の人道支援機関であり、支援物資に関する“物流のプロ”である。コロナ禍にあっても、イエメンなどへの支援を続けたことが評価され、今年のノーベル平和賞を受賞した。

このWFPの活動を支えているのが日本である。イエメンへのWFPの緊急支援を後押しするため、日本は約30億円を拠出。これにより、イエメンで栄養不足に苦しむ約300万人への食料の供給が可能になった。また、日本は今月7日、WFPを通じた食料援助として、イエメンに約3億円を供与する無償資金協力を行うことを決めた。今後も日本は人道支援で国際社会に存在感を示していきたい。

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