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【主張】15カ月予算 感染対策、経済回復へ切れ目なく
コロナ禍を克服し、社会・経済活動の回復へ道筋を付けねばならない。
政府は21日、2021年度予算案を閣議決定した。15日に決定した来年1~3月に対応する20年度第3次補正予算案と合わせて「15カ月予算」となり、切れ目なく歳出需要に対応する。
21年度予算案は、予備費5兆円を含め新型コロナ対策費を手厚くし、一般会計の総額が過去最大の106.6兆円となり、3次補正は一般会計の追加歳出が21.8兆円となった。いずれもコロナ対策に加え、デジタル社会や脱炭素社会の実現、防災・減災対策の強化などが大きな柱だ。安全・安心の社会の構築と経済成長につなげたい。
両予算案には、公明党の主張が随所に反映されている。
コロナ対応では、3次補正でワクチンの無料接種やPCR検査の強化にかかる費用を計上し、21年度予算では保健所の体制整備や医療機器の国内生産能力の強化などの費用を確保した。感染封じ込めに総力を挙げることが重要だ。
雇用対策の強化も進められる。企業が従業員に支払う休業手当を補助する雇用調整助成金(雇調金)について、3次補正では特例措置の延長に伴い5430億円を積み増した。21年度予算では雇調金などの財源として一般・特別会計で6240億円を計上した。雇用の維持に万全を期すべきである。
社会保障分野では、不妊治療に対する助成制度が拡充される。夫婦合算で730万円未満としていた所得制限を来年1月から撤廃、2回目以降の助成額の上限も1回目と同様の30万円に引き上げる。公明党が1998年から求め続けてきた保険適用は2022年度からの実施方針が決まっており、今回の助成拡充は、それまでの負担軽減策だ。
先に閣議決定された「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づく施策が、3次補正と21年度予算に盛り込まれた。来年3月までの「3か年緊急対策」が終了した後も、防災・減災対策に一段と注力すべきとの公明党の訴えが実った。
3次補正と21年度予算の両案は来年の通常国会に提出される。年度内の成立を図り早期執行を期したい。