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【主張】女性・平和・安全保障 国連決議実施へ日本の役割大きい
戦争が起きれば、女性は極めて弱い立場に置かれる。国連が19年3月にまとめた報告書によると、アフガニスタンやイエメン、コンゴ、シリアなど紛争が続く19カ国で、女性が性的暴行を加えられた事例は3000件以上に上る。被害者となりがちな女性の存在を忘れては、平和を達成することなどできない。
そんな思いを形にしたのが国連安保理決議1325だ。紛争下の女性に対する性的暴行を阻止し、紛争の予防と解決、和平調停、和平達成後の平和構築といったあらゆる過程への女性の参加を促すよう加盟国に要請した。「女性・平和・安全保障」(WPS)決議とも呼ばれている。
WPS決議が採択されてから、今年でちょうど20年。これを記念する国連主催の国際会議が今月7日から9日まで開かれ、決議の意義を再確認するとともに、各国が決議を確実に実施することが重要であるとの認識で一致した。
国連安保理は、同決議を実施するための国別行動計画を策定するよう、加盟国に求めている。ただ、今年9月の時点で計画を策定した国は86カ国にとどまる。193ある国連加盟国の半分に満たない。
日本は2015年に行動計画を策定し、各国のWPS決議の履行を促進するため、大きな貢献をしている。
例えば、スリランカでは、09年に反政府武装組織との内戦が終結したものの、国民和解に向けた調整が難航し、特に、女性に対する性的暴行を防ぐための取り組みが遅れている。日本は昨年9月、スリランカにおけるWPS決議を実施するための無償資金協力として約2億円を供与し、女性の政策立案能力を高めるための人材育成事業などを後押し。女性の和平調停への参加を促している。
また、日本は、中東やアフリカ地域で紛争後の復興に取り組む国に対して、女性への性的暴行を予防できるよう、軍や警察、司法機関の能力強化に向けた訓練を推進する支援を行っている。
国連によると、2018年の紛争地での和平交渉において、女性が交渉者として参加した事例は、わずか13%しかない。この状況を変えるべく、WPS決議の実施で日本に期待される役割は大きい。









