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スマホで診察呼び出し
自動受付機能で待ち時間有効に
市立病院3密回避に効果
愛媛・宇和島市
愛媛県宇和島市はこのほど、診察待ちの状況をスマートフォン(スマホ)で確認できる診察呼び出しアプリ「コンシェルジュ」を市立宇和島病院に導入し、11月24日からサービスを開始した。受付時の混雑解消や、待ち時間の有効活用、受診忘れ防止などの効果があるほか、病院内の3密回避にもつながると期待されている。
利用者はまず、スマホに「コンシェルジュ」のアプリをダウンロードし、氏名と生年月日、同病院の診察券番号を事前に登録。同病院の窓口で手続きを行い、電子カルテと連携することでアプリを利用できるようになる。
同アプリは、来院時に入り口を通るだけで再来受け付けが完了する「自動チェックイン機能」を搭載しているため、一度登録すると次回の来院時から受付機に並ぶ必要がなくなる。
アプリ上のバーコードを表示し、受診科の窓口で受け付けした後は、診察時間が近づくとアプリで通知される仕組みで、待合室に待機する必要もなくなる。利用者は、3密を回避しながら診察時間まで余裕を持って待つことができる。
また同アプリには、次回の予約日表示と当日の受診忘れを防ぐための前日のお知らせ機能も搭載。1台のスマホで家族全員分の登録ができるため、スマホを持っていない高齢者や子どもの診察時に付き添う場合もアプリの機能を使うことができ、家族の診察券忘れや紛失も防止できる。
公明が混雑緩和を主張し実現
診察呼び出しアプリの導入については、公明党の松本孔市議が一貫して推進。2018年9月、昨年の3月と9月定例会などで、来院者が常に満員の待合室で長時間待たなければならず、いつ呼ばれるか分からないため席を離れられない不便な状況に触れ、「スマホを活用した混雑の緩和と感染対策を実施するべきだ」と粘り強く訴え続け、今回の導入を推進してきた。
同病院は、患者数の多い内科が最も多く混雑しており、診察まで3時間程度待つこともあった。同病院医事課の中一課長補佐は「今後、電子決済やお薬手帳などの機能拡充も検討し、混雑の解消と通院にかかる負担をさらに減らしていきたい」と語っていた。