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【主張】少人数学級 きめ細かい教育の実現に必要
子どもたち一人一人に、しっかりと向き合える教育の実現につなげたい。
公明党文部科学部会はこのほど、小中学校の1クラス当たりの児童・生徒数を30人以下にする少人数学級の推進などを求める決議を財務省に申し入れた。
少人数学級は公明党が長年訴えてきたもので、文科省は来年度予算概算要求の中に実現に向けた経費を盛り込んでいる。21日に閣議決定される予定の来年度予算案に計上されるよう強く求めたい。
少人数学級の最大の目的は、きめ細かい教育の実現にある。
小中学校の学級編成は現在、40人が標準になっており、教職員の定数もこれに準じて決まる仕組みになっている。このため、少子化で児童・生徒数が減少した場合は、クラス数を減らすことで対応している。
ただ、子どもたち一人一人は、性格も異なれば学力にも差がある。学力を伸ばし、社会性を身に付けさせるだけでも大変な作業だ。さらに近年は、いじめや不登校が増加し、さまざまな問題を抱える子どもたちに細かく目配りすることも求められている。
こうした背景から、40人学級では対応が困難との声が教育関係者から出ている。
また、今回のコロナ禍によって40人学級では「密」を避けることが難しいことが明らかになった。感染防止のため「分散登校」をした結果、少人数となったクラスで学習効果が高まったとの報告もある。一人一人に目が行き届く環境づくりを進めると同時に、安全・安心を確保するためにも、少人数学級を実現する意義は大きい。
少人数学級の実現には教職員の増加が必要になるが、少子化を踏まえて計画的に教職員定数を改善すれば、新たに大量採用しなくても30人以下の少人数学級を実施することは十分に可能とみられている。文科省も追加的な財政措置は少ないと試算している。
経済協力開発機構(OECD)加盟国の大半は、1学級当たりの児童・生徒数が30人以下だ。国際的に見ても日本の40人は多い。
公立小中学校の学級編成の標準を引き下げ、少人数学級を実現するべきである。