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2020年12月5日

コラム「北斗七星」

「たけぞう」が「むさし」に生まれ変わった場面を吉川英治は小説『宮本武蔵』に描いた◆暴れん坊だった武蔵が沢庵和尚に捕まり、亡霊が出る白鷺城の天守閣にある「開かずの間」に幽閉される。武蔵はここで約3年間、万巻の書を読み呻吟と思索を重ね、見違えるような人物となって出て来る話だ◆人を成長させる「開かずの間」は現代科学の最先端施設にも存在する。ドアに「神以外立ち入り禁止」と貼り紙された、通称「神の間」。JAXA宇宙科学研究所の管制室の階下にある部屋には小惑星探査機「はやぶさ2」のシミュレーターが置かれ、トラブル出題チーム(神)が想定外の緊急事態を次々と創り出し、管制室のメンバーが解決に力を尽くす運用訓練を積み重ねたという。津田雄一著『はやぶさ2 最強ミッションの真実』で知った◆「はやぶさ2」が小惑星への2度にわたる着陸など、世界初のミッションを果たした陰には、“神”の難問に忍耐強く立ち向かい、失敗と成功体験の中で鍛えられたスタッフの臨機応変の現場対応力があったのだ◆経営の神様、松下幸之助は「万策尽きたと思うな。自ら断崖絶壁の淵にたて。その時はじめて新たなる風は必ず吹く」と説いた。吉川英治は暗闇の開かずの間を光明蔵と言い換えた。試練を越えて人は輝き、社会は進歩する。(鷲)

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