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2020年12月3日

コラム「北斗七星」

「連絡船」と聞けば郷愁を覚える。この時期ならば、サケをみそ味に仕立てた青函連絡船の三平汁、宇高連絡船ですすった熱々のうどん……。島と本土を結ぶ役割は、橋やトンネルに譲った所も多いが、今も心の中の風景に連絡船が残っている人は少なくないだろう◆宮城県気仙沼市の離島・大島も昨年4月、気仙沼大島大橋の開通で連絡船は廃止された。その大島で、定期便フェリーの時間外に島民を乗せていた臨時の小型連絡船「ひまわり」が保存され、先月23日から一般公開されている。船は、東日本大震災の大津波で全てのフェリーが流失する中、島民を孤立から救った命綱だ◆9年前の3月11日、当時の船長・菅原進さん(77)は「ひまわり」を津波から守ろうと沖へとかじを取り、高さ数十メートルの波を乗り越えた。その後、無償で島民らを8カ月間、運んだ菅原さんの奮闘は、小学6年生の道徳の副読本に収められた◆公開初日の記念式典には、菅原さんの話を授業で聞き「ひまわりを残して」と手紙を書いた佐藤大斗さん(14)の姿も。佐藤さんは「震災を知らない人にも、形として記憶を伝えて」との願いを語った◆「震災体験を伝えるのは生き残った者の使命」と語る菅原さん。相棒の「ひまわり」と津波の脅威や命の大切さを人々の心の中に残そうと誓っている。(川)

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