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2020年11月30日

2050年脱炭素社会めざし党対策本部が政策提言へ

2050年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みを加速させるため、公明党は、これまでの体制を拡充した地球温暖化対策推進本部(本部長=石井啓一幹事長)を新たに設置、26日に初会合を開催した。ここでは、社会の脱炭素化の必要性や実現への課題を解説するとともに、党対策本部での議論を紹介する。

人類の生存揺るがす「気候危機」

革新的技術 開発が不可欠

近年、国内外で異常気象が頻発し、自然災害が激甚化しているが、大きな要因とされるのが温室効果ガスの増加に伴う地球の温暖化だ。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、1976年~2005年までを基準に洪水の影響を受ける世界の人口は、気温上昇2度で170%、1.5度上昇で100%増加すると試算。温暖化が食料生産に与える深刻な悪影響にも懸念を示している。

環境省も20年版の「環境白書」で、政府文書として初めて「気候危機」という言葉を用い、人類を含む全ての生き物の生存基盤が揺るがされていると警鐘を鳴らしている。

公明党は“環境の党”として長年、温暖化対策をリードし、政府への提言を重ね、関連法制の整備を推進してきた。

今年1月の通常国会の代表質問では、山口那津男代表、斉藤鉄夫副代表(当時、幹事長)が50年までに国内の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会」の実現を主張。9月に結んだ自民、公明両党の新たな連立政権合意でも、公明党の強い要望で温暖化対策が明記された。

こうした経緯を踏まえて菅義偉首相は10月、臨時国会の所信表明演説で、温室効果ガス排出量「実質ゼロ」を50年までに達成すると宣言した。政府は、目標達成への実行計画を年末にも発表するため検討を進めている。

公明党も政府の方針を全面的に支えていく方針だ。

党推進本部の初会合で石井本部長は、目標達成には「革新的な技術の開発が不可避だ。移動や住まいなど国民のライフスタイルにも関わってくる。非常に幅広い取り組みが必要」と指摘し、産業界や有識者、先進的に取り組む自治体などと精力的に議論を行っていく考えを示した。今後、政府に政策提言を行う予定だ。

重要分野に水素、蓄電池、洋上風力

政府、成長戦略に反映も

初会合では、政府から気候変動の影響や温室効果ガスの排出削減への取り組み状況などを聴取した。

環境省は、50年までに「カーボンニュートラル」を宣言する国が121カ国に上ることを紹介。脱炭素社会の実現に向けた取り組みを、欧州連合(EU)や中国などが成長戦略の一つとして捉え、コロナ禍からの復興対策としても重視している状況が報告された。

また、国内における温室効果ガス排出量について、住宅や移動手段といったライフスタイルに関わるものが全体の約6割を占めている現状を指摘。こうした分野の脱炭素化をさらに加速させる必要があるとして、高断熱の建物やLEDなどの省エネ設備と太陽光などで年間消費エネルギーがおおむねゼロ以下となる「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」や、電気自動車(EV)を蓄電池として活用する具体的な先進事例が紹介された。

一方、経済産業省は、首相表明を受けて年末にも発表が予定されている実行計画に関して説明した。

具体的には、水素や蓄電池、洋上風力といった重要分野について、普及に向けた具体的な目標年限や制度のあり方を盛り込む方針を明らかにするとともに、民間の投資を促すため、予算や税制面で研究開発・設備導入を支援する必要性を強調した。

その上で、温室効果ガスの排出量をゼロにするには、再生可能エネルギー(再エネ)など非化石電源の拡大や産業全体の脱炭素化が不可欠とし、「抜本的な転換を果たす技術開発が必要だ」と指摘した。

こうした状況を踏まえ、現在検討中の実行計画の方向性は、数年先の短期的な視点が中心となり、50年に向けた長期的な内容は、来年の成長戦略の議論などに反映させる見通しが説明された。

産業界支援へ基金の創設を

政府側と活発に意見交換した党地球温暖化対策推進本部=26日 衆院第2議員会館

党対策本部の初会合では、出席議員と政府側で活発に意見交換も行われた。

社会の脱炭素化には多額の費用が必要になる点について公明党側は、20年度第3次補正予算の編成に向けた24日の党提言の中で、脱炭素社会の構築に向けた産業界の取り組みを支援するために10年単位の長期的な基金の創設を提案した点に触れ、改めて実現を訴えた。

このほか、再エネの普及については、地理・自然条件や送電環境などの課題解決が急務と主張。土壌への炭素貯留を通じて温暖化対策を進める自治体を紹介し、全国的な普及へ啓発するよう求めた。

温室効果ガス排出量の「実質ゼロ」

自動車や工場などの人為的な排出量から、植物が光合成などを通じて吸収した量を差し引いて算出する仕組みで、両者が釣り合った状態を指し、「カーボンニュートラル」とも呼ばれている。

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