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朝の通学見守り13年
尊敬する父(元公明市議)の背中を追って
愛知・常滑市の加藤代史子議員
「おはよう!」「ちゃんと手、上げて渡るのよー!」――。愛知県常滑市内の交差点で朝、小学校へ通学する児童を見守るのは、公明党の加藤代史子市議。初当選の2007年から13年間、継続中だ。見守りとともに、通学路の危険箇所の発見・改善にも励む。父親で元公明党市議の角野和昭さん(故人)も20年以上続けていた。
地元の常滑市立常滑東小学校の児童数は900人を超え、同市を含む知多半島の5市5町で2番目に多い。
加藤市議が立つ交差点は、国道247号にあり、通勤などで多くの車が走行。学校にも近いことからほとんどの児童がここを通る。毎朝7時30分から全児童が登校を終える8時ごろまで子どもたちを見守る。
加藤市議は初当選後、「地域のために何ができるか」と考えた。そのとき、頭に浮かんだのは、尊敬する父親が喜んで子どもを見守る姿だった。そして同じ活動を始めた。
父親の和昭さんは、1967年に初当選。公明市議として地域貢献のために1期目から勇退する91年までの20年以上、通学の見守りを毎朝していた。当時はこうした活動に理解がなく「売名行為だ」など批判を受けることもあったという。それでも続ける中で周囲の評価も変わり「立派だ」と言われるまでになった。誇らしい父の姿を加藤市議は幼い頃から目に焼き付けてきた。
初めの数年は一人だけの活動だった。加藤市議は「地域の宝である子どもたちの成長を見るのが楽しみだった」と振り返る。その後、地元の元区長、PTA関係者らが協力してくれるようになり、現在は約20人で活動。見守る場所も1カ所から4カ所に増えた。
危険箇所の発見・改善も
見守りをしていると、通学路の危険箇所がよく分かる。7年前から見守りに参加している赤井祐治さんの提案を基に、市道へのガードレール設置を要望し、実現した。このほか、子どもが隠れるほど伸びていた歩道の草刈り、経年劣化でひび割れしていた歩道の補修も加藤市議が市に実施させてきた。
共に見守り活動を行う瀧塚崇校長は「子どもたちは友だちと話すことに夢中になって周りが見えないことがある。加藤市議をはじめ、地域のボランティア、PTAの人々が連携プレーで見守ってくれるのでありがたい」と話す。
加藤市議は「体が動く限り続けていきたい」と決意している。