ニュース
高齢者施設を最優先で
濃厚接触者、経路の調査
記者会見で石井幹事長
公明党の石井啓一幹事長は20日午前、衆院第2議員会館で記者会見し、新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にある現状に対し「強い警戒感を持って状況を注視している」と述べた上で、「政府は各都道府県と連携しながら医療提供体制の逼迫を招かないよう、重点的な取り組みを行っていただきたい」と力説した。
■集団感染の多発に備え
石井幹事長は、具体的な取り組みとして、保健所などが濃厚接触者や感染経路を調べる「積極的疫学調査」に言及。繁華街などで多くのクラスター(感染者集団)が発生した地域では調査が追い付かないケースがあることから、「今後は高齢者施設など重症化リスクのある人が多数いる場所を優先順位を付けて調査する必要がある」との考えを示した。
新型コロナ対策を話し合う政府の分科会に対しては、「現在の感染状況をよく分析した上で、感染リスクが高い行為や、今後取るべき対策、感染症予防対策の強化について、国民に分かりやすく丁寧な説明をお願いしたい」と求めた。
政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」事業に関しては、感染拡大防止と社会・経済活動の両立に向けたバランスが重要だと指摘。事業を続けるか中止するかの二者択一ではなく、両立を進めていく中で感染拡大防止のウエートをどうつけていくかが課題だと語った。
その上で、現在の局面は「より感染拡大に注意を払い、これまでの感染拡大防止策を徹底しながら、事業との両立を図っていく局面だ」との認識を示した。
■75歳以上の医療費、窓口負担は基本1割
一方、75歳以上の医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げることには、「公明党は1割負担は維持すべきとの立場だ。これからしっかり議論をしていくが、基本は1割負担をしっかり堅持する方向だ」と力説。また、新型コロナの影響で受診を控える動きがある中、「1割負担を引き上げる対象を増やせば、ますます受診忌避が広がってしまう。コロナ禍にあって、議論するのが果たしてふさわしいのかも問題意識としてある」と語った。