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2020年11月20日

【主張】RCEP合意 多国間の自由貿易推進に弾み

人口や国内総生産(GDP)で、世界の3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生する。

日本と中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など15カ国が、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に署名した。8年に及んだ難しい交渉がようやく実を結んだことは重要だ。今後、各国の承認手続きを経て発効される。

RCEPは、環太平洋経済連携協定(TPP)や日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)に続く大型の協定となる。多国間の自由貿易推進に向け大きな弾みにしたい。

今回合意した分野は、自動車をはじめ工業製品や農産品の関税撤廃、電子商取引、知的財産権の保護ルールなど幅広い。このうち関税の撤廃率は全体で91%に上る。日本が「聖域」とするコメや麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の農産品重要5項目は関税削減の対象から外れた。

日本にとって特に大きいのは、最大の貿易相手国である中国や3位の韓国と初めて結ぶEPAとなることだ。工業製品の関税撤廃率は、日本から中国への輸出で8%から86%に、韓国向けで19%から92%に高まるという。

また、ASEAN各国には日本の自動車メーカーなどが多数進出しており、完成車や部品の関税がアジア広域で撤廃・削減されれば企業の国際展開に追い風となる。コロナ禍で浮き彫りになった、特定の国や地域に依存したサプライチェーン(供給網)の脆弱さの克服にもつながろう。

今回、インドが署名しなかったのは残念だ。インドは安価な中国製品の流入を懸念し、昨年交渉から離脱した。15カ国は今後、同国の準備ができ次第、復帰できる仕組みを整える方針だ。日本は、インドの参加を積極的に働き掛けるべきである。

また、工業製品で見ると、関税の撤廃率が100%近いTPPとはまだ開きがある。関税撤廃までの期間が10年から20年程度と長くかかる品目も多い。国有企業の優遇策に対する規制やデジタルデータの流通など、さらに整備すべき分野もある。

日本は協定発効後も、これらの課題解決をめざし、各国と連携を強める必要がある。

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