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2020年11月10日

【主張】AIなど新興技術 軍事転用防ぐ取り組み強化を

人工知能(AI)などの「新興技術」(emerging technologiesを略してエマテクとも呼ばれる)の開発は日進月歩の勢いだ。

米国や中国は、それぞれに開発を進める新興技術が他国に流出し、軍事転用されるのを防ぐ新たなルール作りに乗り出している。日本にも大きな影響が及ぶ動きであり、対応を急ぐべきだ。

この点で重要なのが、安全保障貿易管理と呼ばれる取り組みだ。兵器開発につながり得る技術を外国人などに提供する際、政府当局の許可を得なければならないというもので、各国で実施されている。日本の場合、外国為替法で規定し、経済産業相の許可が必要であると定めている。

米国は先月15日、半導体チップ内部の微細加工を可能にする極端紫外線(EUV)技術など6項目の新興技術を、新たに安全保障貿易管理の対象にすると発表した。中国も同17日、輸出管理法を成立させて自国の新興技術流出防止に取り組むとしている。同法は来月1日から施行される。

注意すべきは、米国と中国のルールは域外適用されるという点だ。

米国の技術を組み込んだ日本製の機器を日本企業が輸出する際、米商務省の許可が必要になる場合がある。中国の輸出管理法についても、中国の工場で製造した部品などを日本に輸入し、それを組み込んだ製品を日本から輸出する場合、中国の許可を得なければならないケースが生じる。

米中両国の新ルールを踏まえた対応が、日本の輸出関連企業に求められる。政府は情報の提供など、企業を支援することが重要だ。また、大学など研究機関で、軍事転用も可能な新興技術を留学生に教えることもあるため、安全保障輸出管理のルールの順守を大学などに促す必要もある。

今や新興技術は、兵器開発にも欠かせない。実用化はまだだが、「殺人ロボット」とも批判されている、機械が自らの判断で標的を選択し、攻撃する自律型致死兵器システム(LAWS)の開発を可能にするのも新興技術だ。

新興技術の軍事転用防止という観点からも、日本は安全保障貿易管理のルールを世界で最も厳格に実施し、平和国家としての範を示したい。

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